「夢の中でドロシーがそう言ってたんだよ」
「ふぅん、その私、変な奴ね」
ドロシーはそう言って笑うと、コーヒーを飲んだ。
「ごめんね」
「もういいわ。二度としないでね。……、もしくは……」
「もしくは?」
俺が聞き返すと、
「なんでもない」
そう言って真っ赤になってうつむく。
俺は首をかしげながらコーヒーを飲む。
そして、海を眺めながら、「もしくは……?」と、小声でつぶやいた。
それにしても、夢の中のドロシーは非常に興味深いことを言っていた。確かに『見た目だけちゃんとしてればいい』というのであれば必要な計算量は劇的に減らせる。現実解だ。その方法であればこの世界がコンピューターで作られた仮想現実空間であることに違和感はない。もちろん、そう簡単には作れないものの、地球のIT技術が発達して百年後……いや、千年後……安全を見て一万年後だったら作れてしまうだろう。
と、なると、誰かが地球とこの世界を作り、日本で生まれた俺はこちらの世界に転生されたということになるのだろう。しかし、なぜこんな壮大なシミュレーションなどやっているのだろうか。謎は尽きない。あのヴィーナという先輩に似た女神様にもう一度会って聞いてみたいと思った。
先輩は白く透き通る肌で整った目鼻立ち……、琥珀色の瞳がきれいなサークルの人気者……というか、姫だった。サークルのみんなから『美奈ちゃん』って呼ばれていた。
ただ、あのダンスの上手い姫がこの世界の根幹に関わっている、なんてことはあるのだろうか……? どう見てもただの女子大生だったけどなぁ……。美奈先輩は今、何をやっているのだろう……。
ん? 『美奈』?
俺は何かが引っかかった。
『美奈』……、『美奈』……、音読みだと……『ビナ』!?
そのままじゃないか! やっぱり彼女がヴィーナ、この世界の根底に関わる女神様だったのだ。
確かにあの美しさは神がかっているなぁとは思っていたのだ。でもまさか本当に女神様だったとは……。俺は何としてでももう一度先輩に会わねばと思った。
3-8. 神代真龍の逆鱗
食後にもう一度海を遊泳し、サンゴ礁と熱帯魚を満喫した後、俺たちは帰路についた。帰りは偏西風に乗るので行きよりはスピードが出る。
鹿児島が見えてきた頃、ドロシーが叫んだ。
「あれ? 何かが飛んでるわよ」
「ふぅん、その私、変な奴ね」
ドロシーはそう言って笑うと、コーヒーを飲んだ。
「ごめんね」
「もういいわ。二度としないでね。……、もしくは……」
「もしくは?」
俺が聞き返すと、
「なんでもない」
そう言って真っ赤になってうつむく。
俺は首をかしげながらコーヒーを飲む。
そして、海を眺めながら、「もしくは……?」と、小声でつぶやいた。
それにしても、夢の中のドロシーは非常に興味深いことを言っていた。確かに『見た目だけちゃんとしてればいい』というのであれば必要な計算量は劇的に減らせる。現実解だ。その方法であればこの世界がコンピューターで作られた仮想現実空間であることに違和感はない。もちろん、そう簡単には作れないものの、地球のIT技術が発達して百年後……いや、千年後……安全を見て一万年後だったら作れてしまうだろう。
と、なると、誰かが地球とこの世界を作り、日本で生まれた俺はこちらの世界に転生されたということになるのだろう。しかし、なぜこんな壮大なシミュレーションなどやっているのだろうか。謎は尽きない。あのヴィーナという先輩に似た女神様にもう一度会って聞いてみたいと思った。
先輩は白く透き通る肌で整った目鼻立ち……、琥珀色の瞳がきれいなサークルの人気者……というか、姫だった。サークルのみんなから『美奈ちゃん』って呼ばれていた。
ただ、あのダンスの上手い姫がこの世界の根幹に関わっている、なんてことはあるのだろうか……? どう見てもただの女子大生だったけどなぁ……。美奈先輩は今、何をやっているのだろう……。
ん? 『美奈』?
俺は何かが引っかかった。
『美奈』……、『美奈』……、音読みだと……『ビナ』!?
そのままじゃないか! やっぱり彼女がヴィーナ、この世界の根底に関わる女神様だったのだ。
確かにあの美しさは神がかっているなぁとは思っていたのだ。でもまさか本当に女神様だったとは……。俺は何としてでももう一度先輩に会わねばと思った。
3-8. 神代真龍の逆鱗
食後にもう一度海を遊泳し、サンゴ礁と熱帯魚を満喫した後、俺たちは帰路についた。帰りは偏西風に乗るので行きよりはスピードが出る。
鹿児島が見えてきた頃、ドロシーが叫んだ。
「あれ? 何かが飛んでるわよ」



