第一部 チートが暴く世界
1章 楽しきチート・ライフ
1-1. 見せてやろう、本当の強さとやらを
「ぐわぁぁぁ! 勇者めぇ!!」
俺の目の前で激しい灼熱のエネルギーがほとばしり、核爆弾レベルの閃光が麦畑を、街を、辺り一帯を覆った――――。
倉庫も木々も周りの工場も一瞬で粉々に吹き飛ばされ、まさにこの世の終わりのような光景が展開された。
目前で立ち上る巨大なキノコ雲を目の前にして、命を何とも思わない勇者の悪魔の様な発想に俺は愕然とする。
彼女……、ドロシーはどうなってしまっただろうか?
爆煙たち込める爆心地の灼熱の地獄に突っ込んでいって俺は瓦礫の山を掘った。
「ドロシー! ドロシー!!」
とめどなく涙が流れる。
石をどかしていくと、見慣れた白い綺麗な手が見えた。
見つけた!
「ドロシー!!」
俺は急いで手をつかむ……が、何かがおかしい……。
「え? なんだ?」
俺はそーっと手を引っ張ってみた……。
すると、スポッと簡単に抜けてしまった。
「え?」
なんと、ドロシーの手は肘までしかなかったのである。
「あぁぁぁぁ……」
俺は絶望に塗りつくされ、崩れ落ちた。
「うわぁぁぁぁ! ドロシー!!」
さっきまで美しい笑顔を見せていた彼女はもう居ない……。
俺は狂ったように泣き喚いた。
「勇者……、お前は絶対に許さん……」
俺はドロシーの腕をきつく胸に抱き、涙をぽたぽたと落としながら復讐を誓った。
◇
そしてついにその時がやってきた――――。
「さぁ皆さんお待ちかね! 我らが勇者様の登場です!」
ウワ――――ッ!! ピューィィ――――!!
超満員の闘技場に勇者が登場し、場内の熱気は最高潮に達した。
今日は武闘会の最終日。いよいよ決勝戦が始まるのだ。
金髪をキラキラとなびかせて、豪奢なよろいを装備した勇者は、観客に向かって煌びやかな聖剣を高々と掲げ、歓声に応えた。
続いて、俺の入場である。
「対するは~! えーと、武器の店『星多き空』店主、ユータ……かな?」
1章 楽しきチート・ライフ
1-1. 見せてやろう、本当の強さとやらを
「ぐわぁぁぁ! 勇者めぇ!!」
俺の目の前で激しい灼熱のエネルギーがほとばしり、核爆弾レベルの閃光が麦畑を、街を、辺り一帯を覆った――――。
倉庫も木々も周りの工場も一瞬で粉々に吹き飛ばされ、まさにこの世の終わりのような光景が展開された。
目前で立ち上る巨大なキノコ雲を目の前にして、命を何とも思わない勇者の悪魔の様な発想に俺は愕然とする。
彼女……、ドロシーはどうなってしまっただろうか?
爆煙たち込める爆心地の灼熱の地獄に突っ込んでいって俺は瓦礫の山を掘った。
「ドロシー! ドロシー!!」
とめどなく涙が流れる。
石をどかしていくと、見慣れた白い綺麗な手が見えた。
見つけた!
「ドロシー!!」
俺は急いで手をつかむ……が、何かがおかしい……。
「え? なんだ?」
俺はそーっと手を引っ張ってみた……。
すると、スポッと簡単に抜けてしまった。
「え?」
なんと、ドロシーの手は肘までしかなかったのである。
「あぁぁぁぁ……」
俺は絶望に塗りつくされ、崩れ落ちた。
「うわぁぁぁぁ! ドロシー!!」
さっきまで美しい笑顔を見せていた彼女はもう居ない……。
俺は狂ったように泣き喚いた。
「勇者……、お前は絶対に許さん……」
俺はドロシーの腕をきつく胸に抱き、涙をぽたぽたと落としながら復讐を誓った。
◇
そしてついにその時がやってきた――――。
「さぁ皆さんお待ちかね! 我らが勇者様の登場です!」
ウワ――――ッ!! ピューィィ――――!!
超満員の闘技場に勇者が登場し、場内の熱気は最高潮に達した。
今日は武闘会の最終日。いよいよ決勝戦が始まるのだ。
金髪をキラキラとなびかせて、豪奢なよろいを装備した勇者は、観客に向かって煌びやかな聖剣を高々と掲げ、歓声に応えた。
続いて、俺の入場である。
「対するは~! えーと、武器の店『星多き空』店主、ユータ……かな?」