目の前に広がるのっぺりとした漆黒の壁。ここにコンテナがすごい速度で突っ込んでくる……らしい。大穴を開けられたらこの星は終わりだ。エステルもみんなもこの世から消え去ってしまう。俺にできることは穴が小さかった場合、ふさぐことだけだ。ゴム銃のロックをガチャッと外し、俺も構えた。
「あと三十秒!」
ミネルバが叫び、いよいよ秒読みが始まった。
「十、九、八、……」
何億人もの人たちの命運が決まる瞬間がやってくる……。
俺は心臓がバクバクとかつてないほどの音を立てて鼓動してるのを感じた。数日前まで就活でリクルートスーツを着ていた学生が、世界を守るため、愛する人を守るために海王星でゴム銃を構えている。
どうしてこうなった?
俺はこの数奇な運命に苦笑いをし、ゴム銃をもう一度構え直した。
3-22. 失われた未来
「三、二、一、来るわよー!」
ズーン!
激しい衝撃音がして床が揺れ、亀裂がブワッと広がった。
「うわぁ!」
噴き出してくる氷点下二百度のガスが真っ白なキリとなり、一気に視界を奪う。
ガンガンガン!
俺は亀裂が発生した辺りへ向けて粘着ゴム弾を撃ち続ける。
「どんどん撃って!」
ミネルバが檄を飛ばす。
「やってます!」
吹き付けてくる超低温のガスで顔の表面がパリパリと凍っていくのが分かるが、そんなのを気にしている場合じゃない。何億人もの人たちの命がこの一発一発にかかっているのだ。俺は必死に撃ち続けた。
ガンガンガン!
徐々に噴出ガスが減ってくる。
「何とかなりそうね!」
ミネルバの明るい声が響いた。
「良かったですよー!」
俺はホッとしながらゴム弾のカートリッジを交換し、さらに追加で撃っていった。
と、その時だった、急に照明が落ち、真っ暗になる。
「えっ!?」
直後、俺は意識を失った……。
◇
目を覚ますと……、薄暗い天井が見えた。
「あれ……?」
ショボショボする目をこすりながら起き上がり、辺りを見回す……。
そこは俺の部屋だった。
「え……?」
ミネルバは? 異世界の星は? エステルは?
全てを思い出し、愕然とした。
え? あの後どうなったの?
ベッドから飛び降りると、鏡の所へ行ったが、鏡面は硬い。
「あと三十秒!」
ミネルバが叫び、いよいよ秒読みが始まった。
「十、九、八、……」
何億人もの人たちの命運が決まる瞬間がやってくる……。
俺は心臓がバクバクとかつてないほどの音を立てて鼓動してるのを感じた。数日前まで就活でリクルートスーツを着ていた学生が、世界を守るため、愛する人を守るために海王星でゴム銃を構えている。
どうしてこうなった?
俺はこの数奇な運命に苦笑いをし、ゴム銃をもう一度構え直した。
3-22. 失われた未来
「三、二、一、来るわよー!」
ズーン!
激しい衝撃音がして床が揺れ、亀裂がブワッと広がった。
「うわぁ!」
噴き出してくる氷点下二百度のガスが真っ白なキリとなり、一気に視界を奪う。
ガンガンガン!
俺は亀裂が発生した辺りへ向けて粘着ゴム弾を撃ち続ける。
「どんどん撃って!」
ミネルバが檄を飛ばす。
「やってます!」
吹き付けてくる超低温のガスで顔の表面がパリパリと凍っていくのが分かるが、そんなのを気にしている場合じゃない。何億人もの人たちの命がこの一発一発にかかっているのだ。俺は必死に撃ち続けた。
ガンガンガン!
徐々に噴出ガスが減ってくる。
「何とかなりそうね!」
ミネルバの明るい声が響いた。
「良かったですよー!」
俺はホッとしながらゴム弾のカートリッジを交換し、さらに追加で撃っていった。
と、その時だった、急に照明が落ち、真っ暗になる。
「えっ!?」
直後、俺は意識を失った……。
◇
目を覚ますと……、薄暗い天井が見えた。
「あれ……?」
ショボショボする目をこすりながら起き上がり、辺りを見回す……。
そこは俺の部屋だった。
「え……?」
ミネルバは? 異世界の星は? エステルは?
全てを思い出し、愕然とした。
え? あの後どうなったの?
ベッドから飛び降りると、鏡の所へ行ったが、鏡面は硬い。



