「昨日、とある空間でこれを見つけてですね、ほとんど倒しておきました」
魔王は驚愕の表情を浮かべながら、スマホを食い入るように見つめた。
「ちょっとこれ、メッセンジャーで送ってくれる?」
そう言って魔王は最新型のiPhoneをポケットから出し、QRコードの画面を俺に差し出した。
俺は異世界の魔王がiPhoneを使いこなしている様に違和感を覚えながらも、フレンドになって写真を送っておいた。この部屋はアンテナが五本も立っていて電波バッチリなのだ。
魔王はジーッと写真を拡大しながら、ハァーっとため息をつく。
「これは……、ミネルバ様にすぐにご報告せねば……」
「ミネルバ様……?」
「この星の管理者だよ」
俺は管理者という言葉にゾクッとする感覚を覚えた。そこにはIT系の匂いが漂っていた。魔物を管理しているあの巨大なモニタ群からしてもここは現実世界ではないということだろうか……。
「管理者……? もしかして仮想現実空間を管理している方……ってことですか?」
俺は恐る恐る聞いてみた。
すると、魔王はニヤッと笑って言った。
「ほう、良く分かってるね。そう、ここはコンピューターが作り出した仮想現実空間。ミネルバ様はここの管理を任されているのさ」
俺は思わず大きく息をついた。この世界はリアルな世界ではなかった。多分そうだろうとは思っていたが、実際にそうだと言われてしまうと心が追いついていかない。リアルでないってことはゲームみたいなものということだ。エステルと必死に戦い、生き抜いてきた全てがゲームだと言われてしまうのはやりきれなかった。
「秒間三百回くらい合成されているようなので、そうかなと思っていたんですが……、やっぱりそうですか……」
「おぉ、良く気づいたね。正確には288Hzだよ。海王星にあるコンピューターが計算して秒間288回像を合成しているのさ」
「海王星!? なぜそんなところに……」
俺は予想もしなかった情報に驚かされた。太陽系最果ての星、海王星。それは図鑑でもちょこっとしか出てこないなじみの薄い星だ。なぜ、そんなところにコンピューターシステムを構築しているのだろうか……?
魔王は驚愕の表情を浮かべながら、スマホを食い入るように見つめた。
「ちょっとこれ、メッセンジャーで送ってくれる?」
そう言って魔王は最新型のiPhoneをポケットから出し、QRコードの画面を俺に差し出した。
俺は異世界の魔王がiPhoneを使いこなしている様に違和感を覚えながらも、フレンドになって写真を送っておいた。この部屋はアンテナが五本も立っていて電波バッチリなのだ。
魔王はジーッと写真を拡大しながら、ハァーっとため息をつく。
「これは……、ミネルバ様にすぐにご報告せねば……」
「ミネルバ様……?」
「この星の管理者だよ」
俺は管理者という言葉にゾクッとする感覚を覚えた。そこにはIT系の匂いが漂っていた。魔物を管理しているあの巨大なモニタ群からしてもここは現実世界ではないということだろうか……。
「管理者……? もしかして仮想現実空間を管理している方……ってことですか?」
俺は恐る恐る聞いてみた。
すると、魔王はニヤッと笑って言った。
「ほう、良く分かってるね。そう、ここはコンピューターが作り出した仮想現実空間。ミネルバ様はここの管理を任されているのさ」
俺は思わず大きく息をついた。この世界はリアルな世界ではなかった。多分そうだろうとは思っていたが、実際にそうだと言われてしまうと心が追いついていかない。リアルでないってことはゲームみたいなものということだ。エステルと必死に戦い、生き抜いてきた全てがゲームだと言われてしまうのはやりきれなかった。
「秒間三百回くらい合成されているようなので、そうかなと思っていたんですが……、やっぱりそうですか……」
「おぉ、良く気づいたね。正確には288Hzだよ。海王星にあるコンピューターが計算して秒間288回像を合成しているのさ」
「海王星!? なぜそんなところに……」
俺は予想もしなかった情報に驚かされた。太陽系最果ての星、海王星。それは図鑑でもちょこっとしか出てこないなじみの薄い星だ。なぜ、そんなところにコンピューターシステムを構築しているのだろうか……?



