このくらいだともう機械作業的に処理できるようになっている。

「さて、ここはどこかなぁ?」
 俺は洞窟の繋がり方などを確かめて、地図の中を探していく。
「きっと十八階辺りじゃないかと……」
「十八階ね……」
 地図をずっと追っていくと、確かに似たような広間を見つけた。
「階段はこっちの方だ。行ってみよう」
 俺はそう言って歩き始める。
「はい……」
 エステルは少し申し訳なさそうに答える。
「そんな落ち込まないで。落ちたおかげで随分ショートカットにはなったじゃないか」
「そ、そうですよね!」
「でも、洞窟内ではむやみに駆けないこと。分かったね?」
「は、はい……」

 ダンジョンでは些細なドジが命を奪うのだ。俺はくぎを刺しておいた。











2-7. 六十一番の彼女

 地図を見ながら慎重に洞窟を進むと、スケルトン、コボルト、トレントなどが次々と出てくるので、丁寧に殺虫剤で駆除していく。

 階段に着くころには結構な量の魔石がたまっていた。
「結構魔物多いねぇ」
「そうですねぇ。でもソータ様が瞬殺してくれるので楽々ですぅ!」
 エステルがうれしそうに言う。
 この辺りだと特に苦労せずに進めるようだが、レベルはあまり上がっていない。やはりもっと奥へと行く必要がありそうだ。

「ちょっと休憩をしよう」
 俺はそう言って鏡を出し、一旦自宅へと戻った。

「ふぅ、疲れたですぅ」
 エステルはそう言うとベッドにダイブした。もうすっかり俺の部屋になじんでしまっている。
 俺はお湯を沸かしてコーヒーを入れた。
「エステルはジュース?」
 聞いてみたが返事がない。
 どうしたのかと思って見に行くと、スースーと寝息を立てて熟睡している。
 こんなに無防備でいいのかね?
 俺はコーヒーを飲みながら可愛いエステルの寝顔を眺め、ちょっと心配になる。
 その時、エステルのうなじの所に薄く小さな数字が入っている事に気が付いた。
「061? なんだろう……?」
 普段は髪の毛に覆われていて気が付かなかったが、明らかに数字である。女の子がこんな所に入れ墨なんて入れるかな? それとも異世界の風習だろうか……?
 今度きいてみようか……、いや、聞いちゃマズいのか?
 俺はちょっと悩んだが、女の子の身体について何か聞くのは止めておこうと思った。

      ◇