「えっ! これってもしかして……」
と、驚きながら真紅に輝く魔石を手に取った。
「双頭のワイバーンですよ!」
エステルが自慢げに言う。
「双頭のワイバーン!?」
声を裏返らせて驚く受付嬢。ロビーの冒険者たちが一斉にこっちを振り向く。
「ソータ様が一人で倒したんです!」
受付嬢は驚きの表情のまま俺の顔をジッと眺め……、
「しょ、少々お待ちください!」
そう言って奥へと駆けて行った。
1-17. 歴戦の猛者の風格
ヒソヒソと、ロビーの冒険者たちが俺たちの事を話しているのが聞こえてくる。
なんとも気まずい時間が流れた。
「ちょっと、二階の部屋へ来ていただけますか? ギルドマスターがお呼びです」
受付嬢がそう言いながら出てきて、階段の方へ案内する。
彼女はコンコンと重厚な木製の扉を叩き、ギギギーと開くと、
「どうぞお入りください」
と、言った。
案内されるがままに部屋へ入ると、ひげを蓄えた中年の男が鋭い目つきで俺を見る……。ガッシリとした筋肉質の体格は凄腕の冒険者といった風貌だった。
そして、相好を崩すと、
「すまないね、ちょっと話を聞かせてくれるかな?」
そう言ってソファーの椅子をすすめた。
俺たちはソファーに座って姿勢をただす。
「ソータ君? 双頭のワイバーンを一人で倒したって本当かね?」
向かいに座ったギルドマスターは射抜くような視線で俺を見て言う。
「そうです。この薬剤を噴霧して倒しました」
そう言って俺はスプレー缶を見せた。
「薬剤?」
「私は薬を操るスキルを持っていて、それで魔物を倒します」
「ほう……。そんなスキル初めて聞いたな……」
エステルが横から言う。
「私も見てましたし、クラウディアさんが一部始終を見ています! 後で彼女に確認してください!」
ギルドマスターはエステルをチラッと見た後、俺の目をジッと見つめ……、そして言った。
「なるほど、それであれば問題ない……。ところで、君は稀人って知ってるかな?」
キタ――――! と内心思いながら、
「え? 何ですかそれ?」
としらを切る。
「魔物からこの地を救う救世主の事なんだが……、君はもしかして稀人だったりしないかね?」
鋭い視線で俺を見る。俺は内心ビビりながらも、就活で鍛えた取り繕うスキルで、
と、驚きながら真紅に輝く魔石を手に取った。
「双頭のワイバーンですよ!」
エステルが自慢げに言う。
「双頭のワイバーン!?」
声を裏返らせて驚く受付嬢。ロビーの冒険者たちが一斉にこっちを振り向く。
「ソータ様が一人で倒したんです!」
受付嬢は驚きの表情のまま俺の顔をジッと眺め……、
「しょ、少々お待ちください!」
そう言って奥へと駆けて行った。
1-17. 歴戦の猛者の風格
ヒソヒソと、ロビーの冒険者たちが俺たちの事を話しているのが聞こえてくる。
なんとも気まずい時間が流れた。
「ちょっと、二階の部屋へ来ていただけますか? ギルドマスターがお呼びです」
受付嬢がそう言いながら出てきて、階段の方へ案内する。
彼女はコンコンと重厚な木製の扉を叩き、ギギギーと開くと、
「どうぞお入りください」
と、言った。
案内されるがままに部屋へ入ると、ひげを蓄えた中年の男が鋭い目つきで俺を見る……。ガッシリとした筋肉質の体格は凄腕の冒険者といった風貌だった。
そして、相好を崩すと、
「すまないね、ちょっと話を聞かせてくれるかな?」
そう言ってソファーの椅子をすすめた。
俺たちはソファーに座って姿勢をただす。
「ソータ君? 双頭のワイバーンを一人で倒したって本当かね?」
向かいに座ったギルドマスターは射抜くような視線で俺を見て言う。
「そうです。この薬剤を噴霧して倒しました」
そう言って俺はスプレー缶を見せた。
「薬剤?」
「私は薬を操るスキルを持っていて、それで魔物を倒します」
「ほう……。そんなスキル初めて聞いたな……」
エステルが横から言う。
「私も見てましたし、クラウディアさんが一部始終を見ています! 後で彼女に確認してください!」
ギルドマスターはエステルをチラッと見た後、俺の目をジッと見つめ……、そして言った。
「なるほど、それであれば問題ない……。ところで、君は稀人って知ってるかな?」
キタ――――! と内心思いながら、
「え? 何ですかそれ?」
としらを切る。
「魔物からこの地を救う救世主の事なんだが……、君はもしかして稀人だったりしないかね?」
鋭い視線で俺を見る。俺は内心ビビりながらも、就活で鍛えた取り繕うスキルで、