就活か魔王か!? 殺虫剤無双で愛と世界の謎を解け!~異世界でドジっ子と一緒に無双してたら世界の深淵へ

「ふふっ、そうですよ」
 と、ニッコリと笑って言った。
「なら、想いは変わらない。どうか僕と結婚してください」
 俺はポケットからダイヤモンドの指輪を出すと、ひざまずき、エステルにささげた。

 エステルはしばらく指輪を眺め、小さな声でゆっくりと言った。
「私、人間になってもドジなままですよ?」
「大丈夫です」
「私、もう二十七歳なんです」
「年上大好きです」
「これからもいっぱい迷惑かけちゃうですよ?」
「かけてください。二人で一緒に解決しましょう」

 エステルは目をつぶり、涙をポロリとこぼした。そして、
「うっ、うっ、うっ……」
 と、嗚咽(おえつ)するエステル。
 俺は立ち上がり、震える彼女をそっと抱きしめた。
 そして、耳元で、
「僕の……、お嫁さんになってください」
 と、優しく言った。
 美しい茜色の空が広がり、夕陽が水平線の上で最後の輝きを放つ。

 エステルはうなずくと、
「はい……、お願いします……」
 そう言って、涙いっぱいの目で幸せそうに頬を緩ませた。
「もう二度と離さないよ……」
「ずっと一緒ですぅ……」
 二人は離れていた時間を取り戻すかのように、きつくお互いを抱きしめた。
 助け合い、一緒にあがき続けた濃密な時間で深まっていた愛は今、形を持って二人を結びつけた。












3-26. 新しい管理者

 パン! パン!

 クラッカーが鳴らされる。
 周りを見ると、先輩や先輩の会社の神様たちがいて拍手をしてくれている。
「やるじゃない、おめでとう」
 先輩がにこやかに言った。
「あ、ありがとうございます」
 エステルは先輩を見ると恐縮し、恥ずかしそうに、
「あ、ありがとうです……」
 と、言った。

 と、その時、ポン! と音を立ててエステルのブラウスのボタンが飛んだ。子供用の服ではもう彼女の豊満なボディを包み切れなかったのだ。

 豊かな胸が飛び出してしまいそうになり、
「キャー!」
 と、エステルはかがんだ。すると、あちこちがビリビリっと音を立てて破れた。
「いやぁ! うわぁぁん!」
 慌てふためくエステル。

「もう、しょうがないわねぇ」
 先輩はそう言うと、パチンと指を鳴らす。
 すると、エステルの服は純白のウェディングドレスになり、俺は白のタキシードに変わった。
「えっ?」「あわわ!」