不思議に思い騒ぎの中心を探すと、
そこにはまさかの金色があった。

「な、何!?どうしたの??」

私が心配して駆け寄ると、そこにはとろんとした目の匡。
目元に力はないのに、目の奥に力強い光がある。


「匡?」


呼びかけて、しまったと思った。


瞬間、妖艶な瞳と目が合い、私の体温は急上昇する。

心の準備が…!


「都」


クラスメイトが沈黙する。


匡が手招きをすると、引力があるように体が引き寄せられた。

ヤバい…心臓、爆発しそう…!


「あのっえ、えと」


椅子に座る匡が私の顔を上目遣いで覗き込む。

クラスメイトから「きゃー!」と黄色い声が上がる。

唯一長崎くんが
「外で大学生グループにお酒飲まされたみたいで」
と状況を説明してくれた。


「都」

「匡…と、とりあえずお水…」

近くにあった烏龍茶に手を伸ばそうとしたとき、

匡が椅子から腰を浮かし、私の唇にそっと唇を当てた。

その瞬間周囲から今日一番の叫び声が上がった。


「なっ、なっ!!」

口をパクパクさせる私を見て、匡はイタズラが成功した子どものような笑顔を浮かべた。

恥ずかしさで頭が爆発しそうな私は匡の手を強引に引っ張って、カラオケルームから逃げ出した。