「じゃああとはご両人で。」

麗香は言いたいことを言い尽くし、
携帯で呼び出した車に乗って先に学校へ向かっていった。


「行こっか、匡」

「西園寺って前科ないよな?」

「ないよ…たぶん。」

匡が思わず吹き出し、私も釣られて笑ってしまった。

「せいぜい五体満足で都と付き合えるように我慢するよ。」

「な、なにそれ…///」

「覚悟しとけ。」


匡が自信満々な顔をするから、
私は照れ臭くて顔を背けた。

慌てて別の話題を探す。

「っ匡…メガネは?買わないの?」

ケンカで匡のメガネが壊れてから、そのままだ。

もともとダテだったらしいけど、
メガネがないと、匡がモテてしまう…。

勝手だけど、他の女の子といる匡を見たくない…。


「都は?メガネない方がいいんだろ?」

「そ、そんなことないよ!私は別に…」

「もしかして俺がモテると嫉妬する?」

私は黙ってコクコクと頷いた。

「あー、やべぇな。
西園寺に殺されるかも。」

「バカ…」

「都が嫉妬してくれるなら、メガネしない方がいいな。」

「なっ!私はやだよ!」

「安心しろよ。
都以外の女なんて基本興味ねぇから。」


そんなキザな台詞を言い張る匡に
嬉しい反面、おもしろくて笑ってしまう。


「友達になってくれるなら別でしょ?」

「友達にも性的興味はない。」

「言い方…!バカ!」


匡との久々の楽しい会話を楽しみながら
私たちはいつもよりゆっくり登校した。