「麗香、大丈夫…?」
私は急いで麗香に駆け寄った。
「あんなガキだと思わなかったわ。
振って正解よ。」
「ちょ、声大きいよ…!」
幸い周りには聞こえなかったみたいだ…。
「匡とどんな話を?」
「何グレてんの?って聞いたら、」
直球過ぎる…
「『やけくそ』ですって。」
「……。」
「怪我はケンカ売られたから買ったそうよ。
メガネもその時壊れたんですって。」
「匡がケンカで怪我したの、今まで見たことないよ。」
「それくらい動揺していたんじゃない?」
「……。」
匡と今まで通りでいたくって、
それで出した答えだったのに。
今日はまだ挨拶すら交わしていない。
「しばらくはほっとくことね。
今だから言うけど、谷くんって都のこと相当好きよ。」
「えっ!?」
「都が他の男にちょっかい出されないように必死だったし、都への態度だけ異質だったからね。」
「そう…なのかな。」
匡の真剣な瞳を思い出す。
「そうよ。都の今のままでいたいって言う気持ちもわかるけど、正直谷くんにも同情するわ。
さっきはついムカついちゃったけど、しばらくはどっちもの味方としてやらせてもらうわ。」
「うん。」
私は微笑んだ。
匡のことも大切にしてくれる麗香の気持ちが嬉しかったからだ。
私も、友達でいたいって願った以上、
匡への恋心は消さなくちゃいけない。
でも…もし…
匡が友達でいることも拒んだら?
私にすがりつく権利なんてない。
私はなにか選択を間違えたんだろうか…。
何が正解なのか、誰かに教えてほしい。
私の口から、無意識にため息がこぼれていた。



