翌日からも図書室に通った。
ある日は間下の近くに座ったり、
ある日はあえて離れて座ってみたり。
好きなことがバレないように、
でもそばにいたくって…
卒業式に想いが成就するように、
少しずつ意識してもらいたい。
そんなある日、私の方が先に図書室についた日があった。
これは席の決めようもないと、適当に空いているところに座って勉強していた。
「近衛」
「えっ、間下…!」
声をかけられた先を見上げると、笑顔の間下。
間下は自然と私のとなりに座ってくれた。
「最近毎日来てるよな。図書室。」
「っうん…。集中できるから…」
嘘です。
半分間下に気を散らしてます。
まぁ家でスマホを見ているよりはましかな。
「近衛、チョコいる?
さっき買ったんだけど」
「あ、うん。」
間下のそばに近づき、チョコを受けとる。
「ありがとう。」
「……。」
「あ。襟、折れてるよ?」
制服の襟を直そうと、間下の服に触れると、
「誰にでもそうなの?」
と、間下が尋ねた。
「え?なんのこと?」
「近衛、距離近いじゃん。」
「えっ…」
距離…また言われた。
もしかしてイヤだったのかな…。
「ご、ごめん。イヤだった?」
「……。」
「ました…「近衛、もしかして俺のこと好きなの?」
「えっ!!?」
私は驚いて、間下との距離を広げた。
バレた…!
そんな…卒業式に告白するつもりだったのに。
もし今告白したら?
もし、断られたら…
考えただけで血の気が引いていった。
すぐに好かれるほどの魅力が自分にないことなんてわかってる。
一歩ずつゆっくり距離を縮めて行こうって…!
まだ…
卒業式まで、
今の関係を壊したくない…!!
私の顔は火が出るほど熱くなっていた。
泣きそうだったけれど、平静を装って口を開いた。
「ち…違うよ。」
間下の顔にいつもの笑顔はなく、
私の顔に冷たい視線を向けている。
熱かった顔からどんどん熱が奪われていく気分だ。



