***
「都、おはよう!」
「おはよ!奈々ちゃん髪切ってる~」
「えへへ、そうなの!」
「都、昨日のインスタめっちゃ面白かったよ。」
「ありがと。てか春佳ライブ中に変顔送んなし!」
「アハハ~!」
私の名前は近衛 都。
どこにでもいる一般的な高校1年生。
取り柄と言えば、誰とでも仲良くなれること?
入学してから1か月たらずで
クラスメイトとこれくらいの気さくな会話ができるくらいには…
勉強も運動も人並みだけど、
なかなかに楽しい毎日を送っている。
「朝から元気ね。都。」
「麗香!おはよう。」
彼女は麗香。
中学からの私の友達で、一番の仲良し。
ただ…
「今の嫌味よ?うるさいってこと。」
この通り、かなりの毒舌。
この口調で勘違いされやすいけど、
困ったときいつも助けてくれる私の自慢の友達だ。
「えへへ。」
「なに笑ってんのよ。」
「なんでもな~い」
「ふんっ」
麗香は照れ臭そうに手元の本に視線を落とした。
そう。
麗香の可愛いところ…
ツンデレなんです!!
1人頭のなかで興奮し、麗香に悟られないようにそれ以上なにも言わず席についた。
このように、特に特徴もないのが私、近衛 都。
そんな私にその日、平凡をぶち壊す事件が起こるなんて夢にも思わなかった。



