二匹の黒魂の激しい攻撃がまた始まった。一匹が上体を攻撃すると同時に、もう一匹は下体を攻撃する。守備を難しくする打算だ。
葉月は守っているばかりだ。先の髪の攻撃だって、本気で黒魂を消滅する気があるなら、一本だけ放つのではなく、髪の槍を雨のように降り注いだはずだ。何かをためらっているに違いない。僕はその理由がわかるような気がした。二匹の黒魂が僕の両親と言ったからだ。でも、彼らは両親の心から分離された黒魂にすぎない。消えても構わないじゃないか。
「葉月、攻撃してもいいよ!」
僕は葉月に向かって叫んだ。
「彼らは僕の両親の黒魂だけで、両親ではないんだから!」
僕の言葉を聞いた二匹の黒魂は攻撃をピッタリと止めた。
「心外だよ、フモト。親を認めないなんて」
こういいながら、女んの黒音が自分の顔に手も持って行った。そして、仮面を剥がすように黒い顔の皮を取った。その中に現れたのは紛れもなく僕のお母さんだ。でも、目をつぶっている。気絶したようだ。
「ほら、正真正銘のお母さんでしょう?」
黒い皮は元の位置に戻った。
「こっちのお父さんも正真正銘のお父さんなの」
「僕たちの愛が足りなかったのかな、本当の親をわからないなんて」
男の黒魂は寂しそうにつぶやいた。
「父さん、元気出して。あの月を退治したら、フモトは気っと戻れるよ」
女の黒魂は励ました。
「そうだね、頑張らないとね」
決心がついたように、二匹の黒魂は葉月に飛びついた。
葉月は彼らの攻撃を防ごうと髪の壁を作った。黒魂が髪の壁を壊している。
黒魂のあんな姿を見てしまった今、僕も迷ってしまった。葉月が黒魂を食べて強くなってほしい代わり、母と父のことも放っておけない。からと言って僕にできることはないと思う。でも、葉月はきっと方法がわかると思う。僕の両親を包んだ黒魂を退治する方法を。
髪の壁を壊していた黒魂たちがいきなり向きを変えて僕に向かった走りだした。
「このままフモトを連れて家に帰りましょう!父さん」
「そうしよう、戦い続けても意味がないから」
僕は自分に向かって走ってくる黒魂をみて、足に力を入れながら振り返った。自分の後ろに髪の壁があることをすっかり忘れて。
壁にぶつかり、頭がふらふらしていると、誰かに両腕を捕らえられた。声ですぐ黒魂とわかった。
「フモト、さぁ。家に帰りましょう」
僕は抗ってみたけど、二匹の黒魂の力には適えなかった。
「葉月!」
僕の叫び声を聞いた葉月はすぐ向こうから現れた。僕が置かれている状況をみてすぐ駆けつけてきた。
「母さん、フモトを連れて家に帰って。僕がここで月の足止めをするから」
「でも、父さん一人じゃ大変になるかもよ」
「大丈夫だ、ムスコのためじゃないか」
二匹の黒魂は互い見つめあってから分かれた。
女の黒魂は僕の体まで取り込んだ。だんだん一つになってしまった。黒魂に包まれ、僕は母の体と密着の接触をせざるをえなかった。母の体は意外と暖かい。
女のコック魂はすぐ髪の壁をぶっ壊し、走りだした。後ろでは男の黒魂と葉月の戦う音が聞こえてきた。
「父さん、帰ってきてね!」
女の黒魂の言葉に何の返事もなかった。
僕と母は黒魂に丸ごと包まれて外の様子は全然見れない。どれぐらい走ったか知らないが、黒魂は一躍し、どこかに入ったような気がした。それから歩きドアを開けで部屋に入った。
暗闇に一筋の光が差し込んできて、だんだん広がった。
黒魂は僕を吐きだした。僕はベットの上に落ちた。よく見ると、ここは僕の部屋だ。
「お帰りなさい、フモト」
優しい声で呼びかけた女の黒魂はベットに坐り僕を見つめた。
「もう大丈夫だからね。ゆっくり休んで」
僕はこの状況を飲み込めずあっけにとられた。僕は黒魂に食べられるか殺されるかの覚悟をした。しかし、今はただベットに寝てるだけ。女の黒魂は僕を見つめながら子守歌を歌い始めた。
一節を歌い終えた。
「フモトは初めて自分の部屋を持ち、一人で寝ることになった日にね、怖くて寝れなかったの。それで、お母さんがねこの子守歌を歌ったの」
記憶に浸っているように女の黒魂は僕の頭をなでた。
この黒魂が言っていることが本当かどうか気になった。僕の知らない思い出と母がわかるような気がした。
女の黒魂は僕が子供の頃の話を話し続けた。
懐かしい。
すると、重い物が床に落としたずっしりとした音がした。
「フモト。お母さんとお父さんはね、フモトのことが大好きなの。だから、元気よく成長してね」
こう言いながら女の黒魂はドアに向かった。
僕はすぐあとを追った。
リービングには葉月が立っていて、床には黒魂に包まれていないお父さんが倒れていた。
「二人じゃないとあなたに勝てないことぐらいは知っていたわ。でも、これでよかったの」
女の黒魂は葉月に飛びついた。
「フモト、お母さんとお父さんの愛は変わらないからね!」
葉月は女の黒魂の攻撃を避けようともせず、立ったまま髪の毛を投げた。
髪の毛は女の黒魂の体を貫通した。
「お母さん!」
あんなに多い髪の毛に刺されたらきっと重傷を負うに間違いない。葉月が体を癒す力があることはわかってるけど、ママが傷づけることは耐えられなかった。
「心配しなくていい」
僕の心を読んだように、葉月はポツリと話した。
「体と黒魂を分離させるために刺しただけ、体に負担はかからないし傷も残さない」
葉月の声を聞いて安心した。
葉月はさっそく女の黒魂も吸収した。
ママとパパは床に倒れている。ぐっすり眠っているようだ。
「この二匹の黒魂はいったい何なんだろう」
僕はママを抱いて部屋に運ぼうとした。が、以外と重い。
ママとパパを部屋のベットに運んでから厨房に入った。汗かいたので、冷たいジュースを二杯もってリービングに戻って葉月に一杯渡した。
「ただ、息子思いが黒魂を実態化させたんでしょう」
僕がついさき投げた言葉の答えなのだろう。
「そうなんだ」
なんだか悲しくなった。
僕の事を全然思っていもいないと思ったのに、実は心の中で黒魂を呼び起こせるほどの愛情があったとは。人は見えるものだけで判断することではないと分かった。
葉月は守っているばかりだ。先の髪の攻撃だって、本気で黒魂を消滅する気があるなら、一本だけ放つのではなく、髪の槍を雨のように降り注いだはずだ。何かをためらっているに違いない。僕はその理由がわかるような気がした。二匹の黒魂が僕の両親と言ったからだ。でも、彼らは両親の心から分離された黒魂にすぎない。消えても構わないじゃないか。
「葉月、攻撃してもいいよ!」
僕は葉月に向かって叫んだ。
「彼らは僕の両親の黒魂だけで、両親ではないんだから!」
僕の言葉を聞いた二匹の黒魂は攻撃をピッタリと止めた。
「心外だよ、フモト。親を認めないなんて」
こういいながら、女んの黒音が自分の顔に手も持って行った。そして、仮面を剥がすように黒い顔の皮を取った。その中に現れたのは紛れもなく僕のお母さんだ。でも、目をつぶっている。気絶したようだ。
「ほら、正真正銘のお母さんでしょう?」
黒い皮は元の位置に戻った。
「こっちのお父さんも正真正銘のお父さんなの」
「僕たちの愛が足りなかったのかな、本当の親をわからないなんて」
男の黒魂は寂しそうにつぶやいた。
「父さん、元気出して。あの月を退治したら、フモトは気っと戻れるよ」
女の黒魂は励ました。
「そうだね、頑張らないとね」
決心がついたように、二匹の黒魂は葉月に飛びついた。
葉月は彼らの攻撃を防ごうと髪の壁を作った。黒魂が髪の壁を壊している。
黒魂のあんな姿を見てしまった今、僕も迷ってしまった。葉月が黒魂を食べて強くなってほしい代わり、母と父のことも放っておけない。からと言って僕にできることはないと思う。でも、葉月はきっと方法がわかると思う。僕の両親を包んだ黒魂を退治する方法を。
髪の壁を壊していた黒魂たちがいきなり向きを変えて僕に向かった走りだした。
「このままフモトを連れて家に帰りましょう!父さん」
「そうしよう、戦い続けても意味がないから」
僕は自分に向かって走ってくる黒魂をみて、足に力を入れながら振り返った。自分の後ろに髪の壁があることをすっかり忘れて。
壁にぶつかり、頭がふらふらしていると、誰かに両腕を捕らえられた。声ですぐ黒魂とわかった。
「フモト、さぁ。家に帰りましょう」
僕は抗ってみたけど、二匹の黒魂の力には適えなかった。
「葉月!」
僕の叫び声を聞いた葉月はすぐ向こうから現れた。僕が置かれている状況をみてすぐ駆けつけてきた。
「母さん、フモトを連れて家に帰って。僕がここで月の足止めをするから」
「でも、父さん一人じゃ大変になるかもよ」
「大丈夫だ、ムスコのためじゃないか」
二匹の黒魂は互い見つめあってから分かれた。
女の黒魂は僕の体まで取り込んだ。だんだん一つになってしまった。黒魂に包まれ、僕は母の体と密着の接触をせざるをえなかった。母の体は意外と暖かい。
女のコック魂はすぐ髪の壁をぶっ壊し、走りだした。後ろでは男の黒魂と葉月の戦う音が聞こえてきた。
「父さん、帰ってきてね!」
女の黒魂の言葉に何の返事もなかった。
僕と母は黒魂に丸ごと包まれて外の様子は全然見れない。どれぐらい走ったか知らないが、黒魂は一躍し、どこかに入ったような気がした。それから歩きドアを開けで部屋に入った。
暗闇に一筋の光が差し込んできて、だんだん広がった。
黒魂は僕を吐きだした。僕はベットの上に落ちた。よく見ると、ここは僕の部屋だ。
「お帰りなさい、フモト」
優しい声で呼びかけた女の黒魂はベットに坐り僕を見つめた。
「もう大丈夫だからね。ゆっくり休んで」
僕はこの状況を飲み込めずあっけにとられた。僕は黒魂に食べられるか殺されるかの覚悟をした。しかし、今はただベットに寝てるだけ。女の黒魂は僕を見つめながら子守歌を歌い始めた。
一節を歌い終えた。
「フモトは初めて自分の部屋を持ち、一人で寝ることになった日にね、怖くて寝れなかったの。それで、お母さんがねこの子守歌を歌ったの」
記憶に浸っているように女の黒魂は僕の頭をなでた。
この黒魂が言っていることが本当かどうか気になった。僕の知らない思い出と母がわかるような気がした。
女の黒魂は僕が子供の頃の話を話し続けた。
懐かしい。
すると、重い物が床に落としたずっしりとした音がした。
「フモト。お母さんとお父さんはね、フモトのことが大好きなの。だから、元気よく成長してね」
こう言いながら女の黒魂はドアに向かった。
僕はすぐあとを追った。
リービングには葉月が立っていて、床には黒魂に包まれていないお父さんが倒れていた。
「二人じゃないとあなたに勝てないことぐらいは知っていたわ。でも、これでよかったの」
女の黒魂は葉月に飛びついた。
「フモト、お母さんとお父さんの愛は変わらないからね!」
葉月は女の黒魂の攻撃を避けようともせず、立ったまま髪の毛を投げた。
髪の毛は女の黒魂の体を貫通した。
「お母さん!」
あんなに多い髪の毛に刺されたらきっと重傷を負うに間違いない。葉月が体を癒す力があることはわかってるけど、ママが傷づけることは耐えられなかった。
「心配しなくていい」
僕の心を読んだように、葉月はポツリと話した。
「体と黒魂を分離させるために刺しただけ、体に負担はかからないし傷も残さない」
葉月の声を聞いて安心した。
葉月はさっそく女の黒魂も吸収した。
ママとパパは床に倒れている。ぐっすり眠っているようだ。
「この二匹の黒魂はいったい何なんだろう」
僕はママを抱いて部屋に運ぼうとした。が、以外と重い。
ママとパパを部屋のベットに運んでから厨房に入った。汗かいたので、冷たいジュースを二杯もってリービングに戻って葉月に一杯渡した。
「ただ、息子思いが黒魂を実態化させたんでしょう」
僕がついさき投げた言葉の答えなのだろう。
「そうなんだ」
なんだか悲しくなった。
僕の事を全然思っていもいないと思ったのに、実は心の中で黒魂を呼び起こせるほどの愛情があったとは。人は見えるものだけで判断することではないと分かった。