俺を見上げる彼女の頬に優しく手を添える。滑らかな肌の感触が手の平に心地良い。
とても柔らかそうな唇を、飴でツンツンとつついた。
「はい、開けて?」
優しく、甘さを含めて囁き落とすと、彼女の唇が躊躇いがちにゆっくりと開く。少し、エロティックだ。ドキドキしすぎて手が震えていなければ良いけど……。
飴を彼女の口内にゆっくりと滑り込ませ、俺は、彼女のピンク色のふっくらとした下唇を指先で優しくなぞった。
仁科さんの頬が、ピンクから、赤へと色づく。お願い、俺と同じように、仁科さんもドキドキして。
彼女の瞳が、ゆらゆらと揺れて、俺の視線と絡まり合う。
彼女の頬から手を離せない。彼女の熱を、感じていたい。このまま、ずっと。
「長瀬、くん、」
どうしようもない。彼女に心を奪われてしまって。可憐な声も、柔らかな頬も、甘そうな唇も、華奢な手指も、キラキラと光る瞳も。全部が、好きだ。改めてそう思う。
「仁科さん。ずっと、好きだった」