世界が下から迫ってきた。
正確に言うと俺が空から落ちているだけなのだけれど、これだと自殺しているみたいで嫌じゃないか。俺は微塵たりともそんな気はない。ないのだが…………現実はこれである。
地面に向かって降り注ぐ雷を横目に、どうにか減速させようと体を地面に平行にし風を一身に受けなんとかして減速させるが…………うん、効果がある気がしないよね!
「…………死んだな。」
俺は雷と共に墜落した。
〜5分後〜
「死んだ死んだ死んだマジで死んだ!!」
蹴り飛ばした地面の硬さを感じる間も無く、しゃにむに腕を振り回して俺は走り続ける!そんな俺を追いかけ回すのは鬼みたいなモンスター!片手に持ったサーベルをブンブン振り回し雄叫びをあげながら襲いかかってくる!!
「絶対あとでぶっ殺してやるからなクソガキがぁあ!!!」
〜30分前〜
俺の名前は飯田狩虎!勉強しか取り柄のない高校2年生!狩虎なんて名前をしているけれど、卯年の牡羊座の弱々しい人間さ!
ピシャンピシャンピシャァーーン!!!
部活にも入ってないし、勉強ぐらいしかやることのない俺は暇潰しに小説を書いていた。夢に出てくる世界とそこで起こる戦いを………主人公の名前はイリナ。長い金髪で碧眼を持ち、フリフリのゴスロリドレスを着た最強の勇者だ。敵対する魔族を圧倒的な力で打ち倒す。悪を挫き、弱気を助ける彼女は勇者領の人気者だ。希望の象徴だなんて言われるぐらい爆裂的な人気を誇っている。現実の俺とは大違いだ!いや、ね?俺がそんな存在になることを夢見て小説を書いたわけでは決してないからね。そもそも性別違うから。異世界転生とかしないから。確かに現実の俺は冴えないけれど、別の世界に行って楽しく生きられたらいいなって思うけれど、来世の為に今の命を捨てる気にはなれない。
ピシャンピシャンピッッシャァアアンン!!!
でも今は逃げたいなぁマジで逃げたいなぁ!!チートスキルとか使ってどうにかしてぇなぁ!!俺が今どういう状況かって?たくさんの雷に追っかけられてんだよ!!ここ現実だよねいつのまにか異世界に行っちゃった!?塾に行こうとしただけなのに!
「ほぁぁあああ!?!?」
俺は急ブレーキをかけて90度方向転換した!目の前に大きな穴があるんだけど!ぱっと見じゃあ底すら確認できないほど深くて大きな虚!こんなとこに落ちたら無事で済むわけが!
ベギュッ!!!
「なぶっ!?」
振り返ると同時に頰に走る強烈な衝撃!足が地面から離れ、体が空中で2回は回転した!穴と空が高速で移り変わる中、俺の視界に入ったのは………小説の主人公であるイリナが俺をぶん殴った姿だった。
「なんべぇ…………。」
そのまま俺は穴へと落ちて行った。
正確に言うと俺が空から落ちているだけなのだけれど、これだと自殺しているみたいで嫌じゃないか。俺は微塵たりともそんな気はない。ないのだが…………現実はこれである。
地面に向かって降り注ぐ雷を横目に、どうにか減速させようと体を地面に平行にし風を一身に受けなんとかして減速させるが…………うん、効果がある気がしないよね!
「…………死んだな。」
俺は雷と共に墜落した。
〜5分後〜
「死んだ死んだ死んだマジで死んだ!!」
蹴り飛ばした地面の硬さを感じる間も無く、しゃにむに腕を振り回して俺は走り続ける!そんな俺を追いかけ回すのは鬼みたいなモンスター!片手に持ったサーベルをブンブン振り回し雄叫びをあげながら襲いかかってくる!!
「絶対あとでぶっ殺してやるからなクソガキがぁあ!!!」
〜30分前〜
俺の名前は飯田狩虎!勉強しか取り柄のない高校2年生!狩虎なんて名前をしているけれど、卯年の牡羊座の弱々しい人間さ!
ピシャンピシャンピシャァーーン!!!
部活にも入ってないし、勉強ぐらいしかやることのない俺は暇潰しに小説を書いていた。夢に出てくる世界とそこで起こる戦いを………主人公の名前はイリナ。長い金髪で碧眼を持ち、フリフリのゴスロリドレスを着た最強の勇者だ。敵対する魔族を圧倒的な力で打ち倒す。悪を挫き、弱気を助ける彼女は勇者領の人気者だ。希望の象徴だなんて言われるぐらい爆裂的な人気を誇っている。現実の俺とは大違いだ!いや、ね?俺がそんな存在になることを夢見て小説を書いたわけでは決してないからね。そもそも性別違うから。異世界転生とかしないから。確かに現実の俺は冴えないけれど、別の世界に行って楽しく生きられたらいいなって思うけれど、来世の為に今の命を捨てる気にはなれない。
ピシャンピシャンピッッシャァアアンン!!!
でも今は逃げたいなぁマジで逃げたいなぁ!!チートスキルとか使ってどうにかしてぇなぁ!!俺が今どういう状況かって?たくさんの雷に追っかけられてんだよ!!ここ現実だよねいつのまにか異世界に行っちゃった!?塾に行こうとしただけなのに!
「ほぁぁあああ!?!?」
俺は急ブレーキをかけて90度方向転換した!目の前に大きな穴があるんだけど!ぱっと見じゃあ底すら確認できないほど深くて大きな虚!こんなとこに落ちたら無事で済むわけが!
ベギュッ!!!
「なぶっ!?」
振り返ると同時に頰に走る強烈な衝撃!足が地面から離れ、体が空中で2回は回転した!穴と空が高速で移り変わる中、俺の視界に入ったのは………小説の主人公であるイリナが俺をぶん殴った姿だった。
「なんべぇ…………。」
そのまま俺は穴へと落ちて行った。