「前に妻から言われたことがある。そんなにかけたら身体に悪いですよとね」
「やっぱり和食の時は醤油ですか」
「そう。醤油と時は塩も。若い頃から僕ははっきりした味付けが好きでね。妻が作ってくれる料理は美味しいのだが何だか味が薄いと感じてもいたから」
男性に多いタイプだ。濃い目の味を好む男性は多い。若い頃はそれでもいいかもしれない。しかし加齢と共に健康上のリスクが増え、若い頃のツケが回ってくるようになる。
「お料理は、その料理を食べてくれる人のことを思いながら作るんです。長年一緒に暮らしていらっしゃるご夫婦なら尚さらだと思う。奥様はご主人の健康を考え、塩分調整をして美味しいと言ってもらえるものを作っていた。それなのに・・・」
「それなのに僕は妻のその思いを、たとえ無意識にせよ、いつも踏みにじっていた。そういうことか。なるほど」
わたしは黙ってうなずいた。冷めてしまったコーヒーを下げ、淹れたばかりの三杯目の夏ブレンドをそこに置く。
「やっぱり和食の時は醤油ですか」
「そう。醤油と時は塩も。若い頃から僕ははっきりした味付けが好きでね。妻が作ってくれる料理は美味しいのだが何だか味が薄いと感じてもいたから」
男性に多いタイプだ。濃い目の味を好む男性は多い。若い頃はそれでもいいかもしれない。しかし加齢と共に健康上のリスクが増え、若い頃のツケが回ってくるようになる。
「お料理は、その料理を食べてくれる人のことを思いながら作るんです。長年一緒に暮らしていらっしゃるご夫婦なら尚さらだと思う。奥様はご主人の健康を考え、塩分調整をして美味しいと言ってもらえるものを作っていた。それなのに・・・」
「それなのに僕は妻のその思いを、たとえ無意識にせよ、いつも踏みにじっていた。そういうことか。なるほど」
わたしは黙ってうなずいた。冷めてしまったコーヒーを下げ、淹れたばかりの三杯目の夏ブレンドをそこに置く。