「……そ、その……倉本様は……」
「はい」


 嘘も方便だ。真実に適当な嘘を混ぜて、とりあえず適当にこの場をかわすという手もあった。
 しかし、晴れた日の湖にも似た透き通る瞳を見ていると、


「……『日向ぼっ子』は私です、って言ったら……どうしますか?」


 (いつわ)ることが難しくなってしまう。