「いらっしゃいませー! こちらにお名前を書いてお待ちください……!」
「いらっしゃいませ! 何名様でしょうか?」
「申し訳ありません……! 順番にご案内しますのでおかけになってお待ちください!」


 いまさらではあるが、どうにも先ほどから店内が騒がしい。
 絶え間なく鳴り響いている呼び出し音が気になった恋幸は、椅子に座ったまま体勢を変えてホールに目をやる。すると、待合スペースはいつの間にか大勢の客で賑わっていた。

 大声ではしゃぐ幼児、イライラした様子で何度も腕時計を確認する中年男性、楽しげに会話を交わすご婦人方……軽く数えただけで10人はいるだろうか。


(ハッ……!? そっか、お昼休みのランチブーストタイム……!!)