クリームソーダおいしい、ショコラケーキあまい。窓の外でたわむれるセグロセキレイかわいい。
 今の恋幸の脳内にあるのは、そんな語彙力の低下した考えのみであった。なぜなら、


(続き、何も浮かばない……)


 あらかじめプロットを組んでいるためストーリー展開で悩むことはないのだが、浮かんでいる場面までの空白を埋めるのが難しいのである。

 そうこうしている間に時刻は正午を迎えており、恋幸は進まない原稿に焦燥感を覚えつつも『腹が減っては戦ができぬ』と自身に言い聞かせ、お昼ご飯用のハッシュドビーフを追加注文。