「あの、星川さん。前に、『裕一郎様がエアコンを買った』って言ってましたけど、」
「ああ、そうそう! ちょうど今日、業者の方が取り付けに来てくださるので、小日向様の部屋も暖かくなりますよ!」
「やったー! あっ、そうではなくてですね! その、代金をお返ししたくて……お値段とかご存知かな、って」
話を聞いた星川は手元に目線を落としたまま食器についた泡を洗い流し、蛇口のハンドルを前に倒してお湯を止めてから首を左右に振った。
「もちろん知ってます。けど、教えた上に小日向様から徴収したとあれば、裕一郎様に叱られてしまいます」
「え? でも、」
「それに、きっと裕一郎様も代金を返してほしいだなんて思っていないわ。貰えるものは貰って、甘えておけばいいんですよ」
「……」
「ああ、そうそう! ちょうど今日、業者の方が取り付けに来てくださるので、小日向様の部屋も暖かくなりますよ!」
「やったー! あっ、そうではなくてですね! その、代金をお返ししたくて……お値段とかご存知かな、って」
話を聞いた星川は手元に目線を落としたまま食器についた泡を洗い流し、蛇口のハンドルを前に倒してお湯を止めてから首を左右に振った。
「もちろん知ってます。けど、教えた上に小日向様から徴収したとあれば、裕一郎様に叱られてしまいます」
「え? でも、」
「それに、きっと裕一郎様も代金を返してほしいだなんて思っていないわ。貰えるものは貰って、甘えておけばいいんですよ」
「……」