「その……まだまだ夜になると冷え込むでしょう? ですから、小日向様の部屋用に裕一郎様がエアコンを購入されたんですけど……」
(え? わざわざ私のために……? 裕一郎様やっぱり優しい……大好き……)
「業者さんが取り付けに来るのが明々後日で、ですから……それまで、夜は裕一郎様と一緒のお部屋で寝て頂くことになるんですけど、大丈夫かしら……?」
「……なん……」


 3月も残り数日。夜空に向かって吐いた息は、まだわずかに白い。