裕一郎は自身の肩にのせられた恋幸の頭を優しく撫で、空いている方の手で彼女の輪郭をなぞる。
 そのまま彼の長い指が恋幸の顎を持ち上げれば強制的に目線が交わり、動揺からその瞳がわずかに揺らいだ。

 どちらかが少しでも体を動かせば、唇同士が簡単に触れてしまいそうなほど至近距離に迫る、裕一郎の整った顔。


「くらも、と、さま……」
「……小日向さん、」