口の中いっぱいにふわとろパンケーキが詰まっていた恋幸は、裕一郎の言葉に対し片手で口元を隠したまま大きく頷いて同調の意思を示す。
 蛇足(だそく)ではあるが、裕一郎が注文したのは820円のプチハニートーストコンビと550円のブレンドコーヒーだ。

 彼はそんな彼女の姿を見てわずかに口の端を持ち上げる。


「すみません。ゆっくり食べてください」
「……っ、は、はい……!」


 そうだ、私には前回裕一郎様と交わした約束の「次は私に払わせてください」という最強の切り札がある!!