「……ね、それ、バニラアイス?」
弟が俺の手元を見る。確かに俺はコンビニの袋を提げていて、その中には弟のためにと思って買ってきたバニラアイスが入っていた。
「ああ、うん。凛、好きだったよな。食べる?」
弟に袋を差し出すと弟はそれを受け取り、じっと見る。そして、それをすぐに、俺に投げつけてきた。
「……いらねぇよ、こんなもん」
何が起こったのか、一瞬理解が出来なかった。体に当たった衝撃と痛み。それでやっと、状況を理解した。
「……俺の欲しいもの全部奪っといて、今更何様のつもりだよ」
弟の向ける視線が、先ほどよりも鋭く尖る。
「無様で無能で哀れな俺に、施しを与えた気にでもなってんの?」
「そんな、つもりじゃ」
弟の言葉の意味が分からなかった。弟には、色々なものを譲っていたつもりだ。
「兄貴さ、俺がどんな思いで今まで生きてきたか知らないだろ」
弟の声は震えていた。
弟が俺の手元を見る。確かに俺はコンビニの袋を提げていて、その中には弟のためにと思って買ってきたバニラアイスが入っていた。
「ああ、うん。凛、好きだったよな。食べる?」
弟に袋を差し出すと弟はそれを受け取り、じっと見る。そして、それをすぐに、俺に投げつけてきた。
「……いらねぇよ、こんなもん」
何が起こったのか、一瞬理解が出来なかった。体に当たった衝撃と痛み。それでやっと、状況を理解した。
「……俺の欲しいもの全部奪っといて、今更何様のつもりだよ」
弟の向ける視線が、先ほどよりも鋭く尖る。
「無様で無能で哀れな俺に、施しを与えた気にでもなってんの?」
「そんな、つもりじゃ」
弟の言葉の意味が分からなかった。弟には、色々なものを譲っていたつもりだ。
「兄貴さ、俺がどんな思いで今まで生きてきたか知らないだろ」
弟の声は震えていた。