「ギルド長にそう言って頂け、私も気が楽になりました。可能なら今夜か明日にでも代官様のお宅を訪ねたいのですが?」
「随分と急ですな」
「父から『商人は時間を無駄にしてはいけない』と教えられて育てられたので」

 ずるずると引き延ばされるのは困る。
 今夜や明日の訪問をこの場で約束できないのは分かっている。だが、ロリコン代官のところにいますぐにでも使者を出すくらいはできるだろ?

「しかし、幾ら何でも急すぎますな……」

 ギルド長が額の汗を拭う。
 そのとき誰かが扉をノックした。

「いま、来客中だ」
「申し訳ございません。そちらのお客様からご依頼されたアンデッド・オーガの査定が終わりましたので、買い取り明細と代金をお持ちいたしました」

 絶妙のタイミングじゃないか。

「差し支えなければ彼女を入室させて頂けませんか?」
「カンナギ殿がそれでよいなら」

 ギルド長のその一言で扉を代金を持った女性が応接室へと招き入れられる。