「もちろん、代官様への手土産は用意しております」

 錬金工房から長剣と盾を取り出してテーブルの上に置く。いましがた鑑定してもらった長剣よりもやや豪奢な装飾を施したものだ。
 新たに眼の前に置かれた長剣と盾に視線が釘付けとなっている二人に言う。

「硬化と自己再生に加え炎の魔法も付与されています。剣身に炎をまとわせることができるので戦場で映えるでしょうね」
「炎に自己再生だと!」
「国宝級ではありませんか!」

 ギルド長と鑑定役の女性が同時に腰を浮かせ驚きの声を上げた。
 事前にロッテに訊いたときには「聞いたことのない魔剣ですけど、修理しなくていいのは凄く便利そうですね」、と言っていたが……国宝級だったのか。

 炎をまとわせる剣は耐久性に問題がある。
 これは性質上やむを得ないことなのだが、この剣は自己再生機能があるので剣身に炎をまとわせながらも常に再生し続ける」

「魔力が続く限り。という条件はありますが簡単に壊れたりはしません。この剣なら代官様にも気に入って頂けると確信しております」

 代官が派手好きなら尚更だろう。

「おっしゃる通りです。献上品がこちらの品なら魔術師ギルドとしても自信を持ってご紹介できます」

 ギルド長の言葉遣いが変わった。