「隠れろ! 坊やの攻撃魔法が来るぞ!」
「オーガよりも小僧の攻撃魔法を警戒しろ!」

 そこの二人、顔を覚えたからな。
 とそのとき、冒険者たちの後方で頭を抱えて逃げ惑うロッテの姿が目の端に映った。
 続いて目に飛び込んできたのはユリアーナ。

 ロッテに駆け寄った彼女がロッテの手を引いて、さらに後方へと避難しようとしている。
 護衛役が逆転しているぞ!
 やむを得ないか……。

 火球の魔法を待機させたまま、風魔法を使って密度の異なる多層構造の空気の壁をユリアーナとロッテを守るように出現させる。
 刹那、照準したポイントに威力を抑えた数発の火球を高速で撃ちだした。

 火球は着弾と同時に爆発し、轟音と土煙を辺りにまき散らす。
 爆風と飛び散った細かな岩石は、空気の壁に阻まれてユリアーナとロッテには届かなかった。

 二人の無事を確認して胸を撫で下ろす。
 俺は後方にいた二体のオーガが爆風で吹き飛ばされそうになったところを収納し、所有していたスキルを瞬時に剥がして再び元の場所へと吐きだした。

 それと同時に今度は殺傷力の高い火魔法と土魔法の複合攻撃魔法を放つ。
 炎をまとわせ、高温に熱したソフトボール大の鉱石の塊を弾丸としてオーガへと撃ちこんだ。

 炎をまとった鉱石の弾丸は、本来なら魔力とスキルで『硬化』されるはずのオーガの皮膚を容易く貫き、硬質な骨砕いて致命傷を負わせる。
『回復』や『再生』といった生き延びるためのスキルを失ったオーガはそのまま絶命した。

 よし、イメージ通りだ。
 辺りが静まり返る。