突然、吐き気に襲われた。生きたオーガの腹を割いて内臓をむさぼり食うアンデッド・オーガから、思わず目を逸らしてその場にしゃがみ込む。
オーガの断末魔の咆哮が耳朶を打つ。喉の奥まで戻りかけた胃の内容物が鼻孔を刺激する。
リバースしそうになるのを寸前のところで堪えていると、傍らから平然とした口調の声が聞こえた。
会話の主はロッテとユリアーナ。
「オーガも食べられたくないから必死ですねー」
「アンデッド・オーガが追い付いたら冒険者も食べられるんじゃないかしら?」
「お腹が空いているみたいだし、大きい肉に向かうと思います」
「冒険者たちはそうは思ってないみたいよ」
ユリアーナの視線が食事中のアンデッド・オーガから、強行突破しようとするオーガと交戦中の冒険者へと移った。
「後衛担当の方の視線がアンデッド・オーガに向いてるような気がします」
どうやら俺が一番グロ耐性に欠けるみたいだ。
無理もないか。
召喚前から含めて、生死を賭けた戦いどころか、断末魔の声すら聞いたことがない。
己の平穏だった半生を振り返っていると、顔色を豹変させたユリアーナが突然俺に話しかけた。
「たっくん、見つけたわ!」
見つけた? 何を見つけたんだ……?
「まさか……」
「あのアンデッド・オーガが二つ目の神聖石の持ち主よ」
ユリアーナの射抜くような視線がアンデッド・オーガに向けらる。
傍らのロッテが息を飲んで口をつぐんだ。
オーガの断末魔の咆哮が耳朶を打つ。喉の奥まで戻りかけた胃の内容物が鼻孔を刺激する。
リバースしそうになるのを寸前のところで堪えていると、傍らから平然とした口調の声が聞こえた。
会話の主はロッテとユリアーナ。
「オーガも食べられたくないから必死ですねー」
「アンデッド・オーガが追い付いたら冒険者も食べられるんじゃないかしら?」
「お腹が空いているみたいだし、大きい肉に向かうと思います」
「冒険者たちはそうは思ってないみたいよ」
ユリアーナの視線が食事中のアンデッド・オーガから、強行突破しようとするオーガと交戦中の冒険者へと移った。
「後衛担当の方の視線がアンデッド・オーガに向いてるような気がします」
どうやら俺が一番グロ耐性に欠けるみたいだ。
無理もないか。
召喚前から含めて、生死を賭けた戦いどころか、断末魔の声すら聞いたことがない。
己の平穏だった半生を振り返っていると、顔色を豹変させたユリアーナが突然俺に話しかけた。
「たっくん、見つけたわ!」
見つけた? 何を見つけたんだ……?
「まさか……」
「あのアンデッド・オーガが二つ目の神聖石の持ち主よ」
ユリアーナの射抜くような視線がアンデッド・オーガに向けらる。
傍らのロッテが息を飲んで口をつぐんだ。