「錬金工房は俺のスキルだ。存分に利用するつもりだ」
「大勢の見ている前で?」
「安心しろ。魔道具による攻撃と併用して錬金工房の能力を悟られないように戦って見せる」
「できるの?」
「問題ない」
実践するのは初めてだが脳内シミュレーションは十分だ。
自身満々に言い切る迫力に気圧されたのか、ユリアーナは何かを言いかけて口をつぐんだ。
「俺だってバカじゃないんだ。自信のないことは口にしない」
「信用しましょう。でも、念のためあたしも同行するわ」
こいつ、信用してないな。
「あたしも行きます。一緒につれて行ってください」
そう口にしたロッテの目に涙はなかった。
「よし! アンデッド・オーガを倒しに行くぞ!」
俺は教会の外へと駆けだした。
◇
門にたどり着くと既にバリケードが築かれ、防壁の内と外とに二重の防衛ラインが構築されていた。
防壁の外は冒険者と思しき臨時戦力を中心に騎士団の下部組織である衛兵たちで、馬防柵のような簡易なバリケードに取り付いたオーガと交戦中だった。
防壁の内側は騎士団が中心で、防壁の上からの攻撃魔法や弓矢での遠距離攻撃による援護に終始している。
「二体だけ、随分と後方にいるが……」
「オーガがオーガを食べてますよ!」
俺の横でロッテが悲鳴を上げた。
黒ずんだ皮膚の不健康そうなオーガが褐色の健康そうなオーガの内臓をむさぼり繰っている。あの不健康そうなオーガがアンデッド・オーガで間違いなさそうだ。
「大勢の見ている前で?」
「安心しろ。魔道具による攻撃と併用して錬金工房の能力を悟られないように戦って見せる」
「できるの?」
「問題ない」
実践するのは初めてだが脳内シミュレーションは十分だ。
自身満々に言い切る迫力に気圧されたのか、ユリアーナは何かを言いかけて口をつぐんだ。
「俺だってバカじゃないんだ。自信のないことは口にしない」
「信用しましょう。でも、念のためあたしも同行するわ」
こいつ、信用してないな。
「あたしも行きます。一緒につれて行ってください」
そう口にしたロッテの目に涙はなかった。
「よし! アンデッド・オーガを倒しに行くぞ!」
俺は教会の外へと駆けだした。
◇
門にたどり着くと既にバリケードが築かれ、防壁の内と外とに二重の防衛ラインが構築されていた。
防壁の外は冒険者と思しき臨時戦力を中心に騎士団の下部組織である衛兵たちで、馬防柵のような簡易なバリケードに取り付いたオーガと交戦中だった。
防壁の内側は騎士団が中心で、防壁の上からの攻撃魔法や弓矢での遠距離攻撃による援護に終始している。
「二体だけ、随分と後方にいるが……」
「オーガがオーガを食べてますよ!」
俺の横でロッテが悲鳴を上げた。
黒ずんだ皮膚の不健康そうなオーガが褐色の健康そうなオーガの内臓をむさぼり繰っている。あの不健康そうなオーガがアンデッド・オーガで間違いなさそうだ。