「シスター!」

 ロッタの喜びの悲鳴と同時に周囲からどよめきが沸き起こる。
 やはりユリアーナの光魔法は驚愕に値するようだ。

 覚悟はしていたがこれは後が大変そうだ。そう思った瞬間、俺たちの周囲で湧きおこったどよめきを遥かに凌駕する歓声が上がった。

「奇跡だ!」
「助祭様が奇跡を起こされた!」

 歓声の中、確かに聞き取れた。
 人混みの隙間から見えたのは二十代後半の青年。恐らく彼が赴任してきたばかりの助祭なのだろう。
 ユリアーナに集まりかけた注目を攫ってくれたことに内心で感謝しながらユリアーナへと視線を戻す。

「このシスターはもう大丈夫なのか?」
「ええ、問題ないわ」
「ありがとうございます。ありがとうございます!」

 涙で顔をグチャグチャしたロッテが何度も頭をさげた。

「他の重傷者の手当てをするから、ロッテちゃんはこの女性の側を離れないでね」

 ロッテにそう告げながら立ち上がり際に俺に耳打ちをした。

「あの助祭、神聖石の恩恵を受けているわ」
「分かるのか?」

 ユリアーナがうなずいた。
 俺とユリアーナの最大の目的である、この世界に散った百余個の神聖石の回収。その一つが早くも見つかった。