「教会です」

 ロッテが緊張した様子で口にした。
 教会に着くと行きがけに通りかかったとき以上に大勢の人々で溢れ返っていた。

「怪我人です! 怪我人を通しますから道を開けてください!」

 冒険者らしき人たちが運び込まれ、辺りは痛みを訴える声と肉親や知人を心配する悲痛な声とが入り混じっていた。

「孤児院の者です! 通してください! シスターや子どもたちが教会の中にいるんです!」

 ロッテの声が周囲の喧騒に掻き消された。

「光魔法が使えます! 治療の手伝いをするので通してください!」

 人々の視線が俺に集まり眼前に道が拓けた。
 効果抜群だな。

「行くぞ!」

 ユリアーナとロッテを伴って教会へと飛び込んだ。
 教会の中も混乱をしていた。怪我人たちが無造作に横たえられ、教会の神父やシスターたちが悲壮な面持ちで走り回っている。

「重傷者と軽傷者の区別をする余裕もないみたいね」
「妹は光魔法が使えます。治療のお手伝いをさせてください」

 治療を申し出る傍ら、ロッテにシスター・アンジェラと子どもたちを探すように指示する。

「見つけたらすぐに知らせろ」

 小さくうなずいてロッテが足早に奥へと向かった。