「さっき攫った村娘みたいに、なぶり殺したりするんじゃねえぞ」
「アジトに連れ帰って数日楽しもうとおもったのによー」
「まったくだ。お前はやり過ぎるんだよ」
頭の禿げあがった年配の男が左の頬に傷のある若い男を小突くと、
「勘弁してくださいよ。今度は殺さないようにしますから」
そう言って悪びれるようすもなく笑った。
こいつら、近隣の村から娘を攫ってなぶり殺しにしたのかよ。
沸々と怒りが込み上げてくる。
それはユリアーナも同じだった。
「神罰を下しましょう」
「俺たちに何か用ですか?」
彼女の抑揚のない静かなささやきと、爆発しそうになる感情を抑えた俺の声とが重なった。
「このガキ、大人に対する口の利き方も知らねえみてえだな」
「ちーっと、躾をしてやるか」
男たちの間から下品な笑い声が上がった。
「それじゃ、逃げらんねえように脚を切り落とすか!」
突然、一人が大声を上げると、これ見よがしに剣で焚火の明かりを反射させた。
威嚇のつもりなんだろうな。
視線でユリアーナに合図を催促するのと別の男が声を上げるのが同時だった。
「待てよ、男の方も可愛らしい顔してんじゃねか」
「傷物にするなよ、値が下がるからな」
「どっちも高く売れそうじゃねえか」
男たちが上機嫌で笑う。
「たっくん、大丈夫?」
「問題ない」
七人全員、いつでも錬金工房に収納できることを告げた。
初めて生きた人間を収納することになりそうだが、俺の精神状態は極めて落ち着いている。
むしろ『さっさと視界から消したい』、という感情が急速に膨れ上がっていく。
「たっくん、顔が怖いわよ」
俺は口元を引き締めて彼女にささやく。
「アジトに連れ帰って数日楽しもうとおもったのによー」
「まったくだ。お前はやり過ぎるんだよ」
頭の禿げあがった年配の男が左の頬に傷のある若い男を小突くと、
「勘弁してくださいよ。今度は殺さないようにしますから」
そう言って悪びれるようすもなく笑った。
こいつら、近隣の村から娘を攫ってなぶり殺しにしたのかよ。
沸々と怒りが込み上げてくる。
それはユリアーナも同じだった。
「神罰を下しましょう」
「俺たちに何か用ですか?」
彼女の抑揚のない静かなささやきと、爆発しそうになる感情を抑えた俺の声とが重なった。
「このガキ、大人に対する口の利き方も知らねえみてえだな」
「ちーっと、躾をしてやるか」
男たちの間から下品な笑い声が上がった。
「それじゃ、逃げらんねえように脚を切り落とすか!」
突然、一人が大声を上げると、これ見よがしに剣で焚火の明かりを反射させた。
威嚇のつもりなんだろうな。
視線でユリアーナに合図を催促するのと別の男が声を上げるのが同時だった。
「待てよ、男の方も可愛らしい顔してんじゃねか」
「傷物にするなよ、値が下がるからな」
「どっちも高く売れそうじゃねえか」
男たちが上機嫌で笑う。
「たっくん、大丈夫?」
「問題ない」
七人全員、いつでも錬金工房に収納できることを告げた。
初めて生きた人間を収納することになりそうだが、俺の精神状態は極めて落ち着いている。
むしろ『さっさと視界から消したい』、という感情が急速に膨れ上がっていく。
「たっくん、顔が怖いわよ」
俺は口元を引き締めて彼女にささやく。