「実は本日お時間を頂いたのは――」
「目的は我が国での商会の立ち上げと、この地域での円滑な商売、というところだろ」
俺の言葉を遮って言いきった。
しかも事前に献上品の用意をしてあることは告げてあるにもかかわらず、そのことには一切触れていない。
まるで俺たちが一方的にお願いに上がったような話の切り出しだな。
「それも目的の一つです」
「一つか。随分と欲張りだな」
「ご提供できるものも複数用意しております」
「ほう、聞こうか」
三種類の能力を付与した長剣以外にも献上品があると思ったのか、まるで鑑定士が品定めをするかのように、俺を見るロッシュの眼差しが鋭くなった。
さてと。先ずは俺がロッシュにとって利用価値のある人間だと理解させないとな。
「こちらが献上品でございます」
長剣を恭しくテーブルの上に置いた。
日本を代表するファンタジーRPGに登場する聖剣を参考にデザインしたので、見た目も十分に映える。
「これが……!」
ロッシュは感嘆の声を上げると、食い入るように長剣を見つめた。
彼が長剣に手を伸ばそうとした瞬間、それを阻むように魔術師ギルドの発行した鑑定書を彼に手渡す。
『国宝級』と言わしめたその性能を同席した魔術師ギルドの鑑定士が身振り手振りを交えて興奮気味に説明する。
「――――私も鑑定したときは驚きました。それこそその場で三度鑑定したほどです。この長剣には硬化と自己再生、さらに炎の魔法が付与されています」
長剣を手にし、顔に喜色が浮かばせたロッシュに言う。
「お試しになられては如何ですか?」
「この場でか?」
言葉とは裏腹に表情は躊躇《ちゅうちょ》していない。
「試し斬りは無理にしても、炎をまとわせるくらいは問題ございませんでしょう」
ロッシュは俺の言葉に背を押されるようにして、部屋の中央へと歩を進める。
無言で長剣を見つめる彼に、
「魔力を流すだけです。魔力さえあればどなたでも使えます」
そう告げた瞬間、剣身が紅蓮の炎をまとった。
「目的は我が国での商会の立ち上げと、この地域での円滑な商売、というところだろ」
俺の言葉を遮って言いきった。
しかも事前に献上品の用意をしてあることは告げてあるにもかかわらず、そのことには一切触れていない。
まるで俺たちが一方的にお願いに上がったような話の切り出しだな。
「それも目的の一つです」
「一つか。随分と欲張りだな」
「ご提供できるものも複数用意しております」
「ほう、聞こうか」
三種類の能力を付与した長剣以外にも献上品があると思ったのか、まるで鑑定士が品定めをするかのように、俺を見るロッシュの眼差しが鋭くなった。
さてと。先ずは俺がロッシュにとって利用価値のある人間だと理解させないとな。
「こちらが献上品でございます」
長剣を恭しくテーブルの上に置いた。
日本を代表するファンタジーRPGに登場する聖剣を参考にデザインしたので、見た目も十分に映える。
「これが……!」
ロッシュは感嘆の声を上げると、食い入るように長剣を見つめた。
彼が長剣に手を伸ばそうとした瞬間、それを阻むように魔術師ギルドの発行した鑑定書を彼に手渡す。
『国宝級』と言わしめたその性能を同席した魔術師ギルドの鑑定士が身振り手振りを交えて興奮気味に説明する。
「――――私も鑑定したときは驚きました。それこそその場で三度鑑定したほどです。この長剣には硬化と自己再生、さらに炎の魔法が付与されています」
長剣を手にし、顔に喜色が浮かばせたロッシュに言う。
「お試しになられては如何ですか?」
「この場でか?」
言葉とは裏腹に表情は躊躇《ちゅうちょ》していない。
「試し斬りは無理にしても、炎をまとわせるくらいは問題ございませんでしょう」
ロッシュは俺の言葉に背を押されるようにして、部屋の中央へと歩を進める。
無言で長剣を見つめる彼に、
「魔力を流すだけです。魔力さえあればどなたでも使えます」
そう告げた瞬間、剣身が紅蓮の炎をまとった。