「スラム街で出会った元神官の十倍の魔力量まで増やすことができたぞ」

 自分で口にした魔力量がどの程度のものなのか正確には分からないが、少なくとも基準となる神官の魔力量ですらスラム街の悪人たちの三倍以上あった。
 つまり、規格外の魔力量であることは容易に想像がつく。

「ありがとう。これで怪我や病気で苦しむ信者たちを救うことができるわ」
「いいのか? 一人の人間をここまで優遇しても?」
「問題ないわ。彼は選ばれた人間だった、というだけよ。それに彼には悪徳司祭を排除するのにも一役かってもらうから」
「何か企んでいるなら教えてくれ。カヤの外じゃ協力はできないからな」
「もちろんよ。たっくんはあたしの助手なんだから」

 文字通り、女神のような笑みだ。

 だが、一瞬垣間見た小悪魔のような笑みは気のせいじゃないよな……。
 俺は若干の後悔を胸の奥に仕舞い込んでユリアーナから悪徳司祭排除の計画を聞くことにした。