だけど残念ながら効果はあまりない。長かった夏休みと違って毎日姿が見られるだけでうれしいなんて、恋って困ったものだ。


「それにしても美人や可愛い人ばっかり連れてるよね。みんな綺麗。でも顔だけな人でも派手な人だけでもなくって、大和撫子風な人も、スポーツで優勝してるような活躍中の人も」


定まらないタイプ。近くにいられる人たちがうらやましい。

あの人たちの気持ちは迷惑じゃないのかな。だったらどうしてわたしだけ迷惑なの。ちょっと腹が立ってくる。


「陽花里も美人だよ。細いし身長もあるし姿勢も良くてモデルとかできそう。髪も天使の輪があるくらい綺麗だし」

「…どうしたの舞菜さん」


さっきまで冷たかったのに褒めたたえてくるからどきどきしちゃう。あなたのほうが目が大きくてまつげが長くて輪郭も整っていてくちびるはいつも赤ピンクで小柄で可愛い。


「おみ先輩はかっこいいけど、陽花里にはもっと合う人がいるよ。決めつけたくはないからこれ以上は言わないけど、危ないことに巻き込まれないかかなり心配なんだよね」


そんなに心配されることなのかな。


「可愛い舞菜が心配してくれてるし、晴臣先輩には迷惑だって言われてるから、諦める努力はしてみるよ」


恋の仕方すらよく知らないのに諦め方なんてもっと難しい気がする。でもこれ以上心配かけたくはない。