思わず目を細めてしまいそうになるまぶしい存在。
それが、晴臣先輩。
どうしてこの人だったんだろう。
わからない。理由はないのかもしれない。それでも思い返してみると出会ったときにはもう手遅れなほど惹かれていた。
「鈍感かよ」
「そうなのかも……」
「言わなきゃ良かった。何気づかせちゃってんの自分…」
ため息混じりに呟かれる。すごく酷いし失礼だ。
「だけどずっともやもやしていたので、解ってすっきりしました」
わたしに今までは無かった生まれた一部がかたちになったような気分。
彼はこの気持ちが嫌らしい。面倒なのかな。たしかにそれは同感。今までべつに誰かに嫌われたくないなんて考えたこともなかったから少し面倒だ。
「勝手にすっきりすんなよ」
「すみません」
「思ってないだろ」
「面倒はかけません。それでも迷惑ですか…?」
返事は最悪を想像する。
「なんだって迷惑なんだよ」
だけどいざ言われると、きついもんだなあ。
晴臣先輩の生活の邪魔をしたり、両想いを願ったりするつもりはなかったんだけど。
「じゃあ好きにします。放っておいてください」
初めての、恋と呼ぶのも未熟そうなこの感情を気づかせたのは、教えてくれてくれた本人だった。