1日にやる量をきっちり守って夏休みの宿題の半分を終わらせた。明日は舞菜とプールに行くことになっている。

夏も夏休みもとても好き。

好きなんだけど、学校に行きたいような気もする。


学校で開くプールや有志音楽会、特別補習授業や部活には毎度足を運んでいるけど、それが本来果たすべき目的のためじゃないように思えて、かと言って自分が何を求めて学校に行っているのか考えてもぜんぜん解らなくて、気持ち悪い日々を送っていた。



「陽花里、おつかい行ってきてー!」


ちょうどおばあちゃんからそう言われて2階の自室からリビングへ降りた。週3回、近所に住む父方の祖母はごはんを作りにきてくれる。


「わかった、何買ってくる?」

「牛乳とクリームチーズと、あったら色があるお野菜を買ってきて。明日の夕飯もある程度作っちゃうから」

「はあい。行ってくるね」


おつりがお駄賃になるよう少し多くお金をくれる祖母の優しさを背に、家を出て自転車で近くのコンビニへ向かった。

時間は19時をまわっているのに夏は夜が明るい。

もう少し離れた場所にスーパーもあるけど、山をひとつ越えるだけのコンビニのほうが、そのてっぺんから見た空や景色が綺麗に見られて好きだったりする。