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あれから2年経ち、わたしは志望校に合格した。
受験勉強は大変だったけど、おかげで自分の卒業式も終えて今は楽しい高校生活をスタートさせている。
「陽花里―!体育行こー!」
隣のクラスとは合同体育で、舞菜が迎えに来てくれる。同じ高校に入れて良かったと思う瞬間だ。
「結香子に今度合コンしないかって誘われてるの。陽花里は強制ね」
「ええっ。いや、わたしはいいよ」
「結香子に会いたくないのー?久しぶりに会えるんだよー」
そう。結香子と高薮くんは隣の県の全寮制の進学校に通い始めたからあまり会えないんだ。
機会を逃せば次にいつ会えるか…。
でも合コンはなあ。興味がないよ。
「いいじゃん。陽花里、ヤマ先輩のこともいつまでも振ってるんでしょう?わたしも今はフリーだもん。春が欲しいもん。付き合ってくれたっていいじゃない…」
わあ、やさぐれている。高校に入学してしばらくして舞菜と尋樹くんは別れてしまったんだ。チャンスが転がって来ればすぐに拾いたいって言ってたなあ。
「…わかったよ。でもわたしのことは人数カウントしなくていいからね」
「やったー!」
はしゃぐ舞菜。可愛い。行くって言って良かったって気になっちゃう。