もう夏も終わるな、なんてそんな風情のない景色を暮れる橙の上に吐き出した。定時制高校の屋上から眺めるグラウンドは他の一端より随分こじんまりしていて、ここに通う生徒の多くはしばしば窮屈さを感じてる。
(それでも懸命に生きてる)
見上げた青と赤の狭間に漂う風は次の四季の到来を急かすけれど、その頃決まって秋はやがていなくなる夏の存在を抱きしめて泣くのが日課だ。
「秋尾」
見果てぬ空に吐き出した煙は、叱るように自分を呼んだその声に息を絶った。
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