「……サイカを挟んだとはいえ、シイの魔力を供給されていたのならシンの魔力も精霊のように特殊なんじゃないか?」

「え、どうだろ、知らなかったから考えたこともないな、自分以外の魔法族と竜族の魔力回路とか見たことないし」

 比較対象がいないのでわからない、とシンは首を振るが精霊たちとは明らかに違うものであるらしい。

 シンはダブルだからどうなるかわからない、とはサイカの姉の言い分だがそうでなくてももし持っていた魔力が普通とは少し違ったのであればそれもなにか手掛かりにならないだろうか。

「怖いか」

「まあ、ね。怖いかな。ジオルグは? 自分のことでもないのに、巻き込まれて怖くない?」

「俺は自分のために冒険者をやっている。今度も同じだ。自分の意志で自分のためにやっている」

 いつだってそうだった。剣が好きだった。知りたいことがたくさんあって、行きたい場所もたくさんあって、同じくらい見たいものがこの世界には多すぎる。

 あいにくと学者としてやっていくのは無理だったが、護衛としてフィールドワークの前線を切り開くほうが性には合っていたし、冒険者に好意的な学者や専門冒険職の人間は自分が興味を示せば惜しむことなく教えてくれた。今もそうだ。知りたいことと、聞いていいことかと尋ねればシンもアムもイーズもアールも答えてくれる。それは聞かされているわけでもやらされているわけでもなく、自分の意思だ。自分で決めたことだ。そうやって生きてきたしこれからもそうするだろう。

 傭兵として駆り出されるのは好きじゃないが、それで救えるものがあるかもしれないと思えば、たとえそれが自己満足でもやはり自分で選択してきた。

 それとかわらない。自分で決めて、自分で首を突っ込んだ。シンを友達だと思うから好きでそうしている。