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「……やめといたほうがいいと思うぜっ」
「なぜだ」
「うーんとお……そのう……危ない、かなああってえ」
「危ない? 死ぬかもしれないということか? 俺だけでなくシンもか?」
「だべ。結界の外に出たいとか出るとかは反対したくないけど……なんていうか……あそこに行くのは、よくないと思うんだべな」
顔を見合わせ言葉を濁しながら三人はそう言った。基本的にアムたちはシンのやることに口を出さない。聞いているだけだ。わかったと享受して必要なら手を貸している。
逆もそうで、シンは精霊のやることに関与しない。口は出さない。関心があれば質問はしてもそれを邪魔したり否定したりするような真似は一切しない。
なのにどうしてこの三人は今こんなにも山頂に行かせるのを嫌がっているんだ。
精霊にとっては、「なんでもないもの」のはず。嫌な気配の話をしたときだってきょとんとしていた。つまりアムやイーズやアールにとっては、なんの脅威でもないはずのものなのに。