「悪かった」

「いやだ」

「いつまでもへそを曲げるな、俺たちより年上だろう」

「体は年下だもん、関係ないね!」

 数時間前の仲間だの友達だのの下りの時に「俺はその場にいなかったのに!」とへそを曲げているのが今である。いつもの不調で寝ていたんだから仕方ないだろうと思うけれどそう言うと「いるときにしてよ!」という始末。イーズの言葉を真に受けるのであればシンはジオルグを気に入っているようだからわからんでもない、と言ったところか。

「今日はたまたまあの三人とそういう話をしたが、俺をここに連れてきた日にお前が言ったはずだ」

「……俺、なんか言ったっけ?」

「ずっと友達が欲しかった、とそう言っただろう。俺たちは友達なんじゃないのか」

 唇を尖らせていたシンが一瞬ほうけた顔をした後にうつむいて照れ臭そうに笑った。

「そうだった」

「そうだ」

 友達、という単語をこんなにまじめに口に出すのは何年ぶりだろう。両親が居たときはまだ、近所にそう呼んでいた同年代の子供がいた。疫病のあと、そういう和やかな空気に触れた覚えはない。冒険者になったのも比較的早かったし、一緒に組んだ奴らは友達とは呼ばないような気がして。

 それでも一人で生きてきたわけじゃない。親はいなかったが、すぐそばに必ず誰かがいたから今こうして生きていられるということも痛いほど知っている。