見事な晴天。
お日取りもよく。

本日はウェディング・セレネで
担当のお客様の挙式日で
ございます。

わたくし、
寿に、憂れいと、書きまして
コトブキ・ユウ。

ロングヘアをキリリと纏め、
フォーマルユニフォームに
インカムをして
只今神殿にて進行を見つめて
ございます。

『寿さん、ナカヤマ様がお越しに
なられました。鶴の間控えに
予定時間通りです。
スタンバイ、お願いします。』

インカムのイヤホンより
クロークタッフからの報告が
耳に入ります。

そうでございます。
既に式は
ウェディング・セレネの
和式場にございます
神殿にて始まってございます。

「了解。」


ストップウォッチと、
腕時計を見比べまして
わたくし、
エレガントに見えます
細渕デザインの眼鏡を
人差し指で整え、
応答したします。

「あらあら、
遅れて来られましたましたか」

このような事は
些末なものでございます
ものね。

この度の御式は、
神前によります
それはそれは格式薫ります
和風テイストとなっております
ゆえに、
なんとも大っ変、
雅な雰囲気になってございます。

その厳かさに
コンシェルジュとして
悦に入りつつも
ここは
わたくし、
マイクに向かって応答で
ございましょう。

「只今、ナカヤマ様。お見えに
なりました。高砂神殿にて、
三三九度進行中。ご本人確認の
上、希望でしたら、鶴の間より
高砂神殿に誘導をお願いします」

高砂神殿のスタッフブース
よりインカムで
クールに指示を致します。

遅延ゲストは良くある事。
問題は、
進行を妨げず
かつ!スタイリッシュに

お式に参列するか、
披露宴から参列するかの
確認をいたしまして、、

『ナカヤマ様、高砂神殿インで』

おう。
どうやら最後尾に
参列されるご様子です。

「了解。ドア、カメラ配慮で。」

神殿式での三三九度
祝詞など様々な様子をはじめ
この後の披露宴の映像を、
披露宴のラストに
ドラマティックに流しますので、
編集スタッフは
キリキリマイの秒コンマの
仕事でございます。


きっちり、高砂神殿を開ける
ドアマンにもアテンション
しまして、
わたくしは、
インカムのイヤホンと
再度、襟を正します。

わたくし、寿はできる
ウェディングコンシェルジュ
でございますから。

さて、
私どもウェディング・セレネは
都市型挙式所ではございますが
和洋結婚式はもちろん、
リゾートテイストのお式も
可能という
主に3つの式場を
緑豊かな敷地に持ちます。

政財界ゲストにも対応できます
式場から、
レストランウェディング、
コテージウェディングなども
3つの大式場以外には
別荘型式場も2つございまして

『新郎新婦様への祝詞終了
巫舞い開始。ガーデンに
披露宴参加ゲストをインして
お迎えの準備をして下さい。』

あらゆるニーズにお応えできると、
自負しております。

今、
神前式が滞りなく終わりました。
うむ、善き。


お式には
新郎新婦様の家族、
親戚は参列。親しいご友人も
希望でしたら、参列可能。
とわいえ、
高砂神殿へ入る人数にも
限りございますので、
披露宴参加のゲストには
今回の会場に
ございますガーデンへという
段取りでございます。

『寿です。只今式終了。
新郎新婦様、高砂神殿から、
ガーデンへ向かいます。
最後に入られたナカヤマ様
に注視して下さいませ。』

さあ、一旦
新郎新婦様を高砂神殿から
優雅に廻廊を
新婦様の美しさを演出しつつ
誘導しまして、

披露宴会場であります
和ガーデンへお連れしますわよ。

何と言いましても
ここからが、
わたくし、寿!!
主戦場でございます。からね。