「だから大丈夫。報告会はおしまい。あとは籍を入れるだけ」
髪にキスされて私は拓ちゃんの腕の中で安心をもらう。

「拓ちゃんのお母さんさぁ」
「うん」
「寂しかったと思う」
「うん?」
「拓ちゃんが知らない年上の女の人と一緒に暮らしていて、結婚発言して。寂しくて面白くないから色んな文句をつけていて。今日の私の母親の言葉でズキーンと矢が刺さったと思う」
「優奈さんのお母さん?何か言ってた?」
拓ちゃんに聞かれて呼吸を落ち着かせてから考えを彼に告げる。
「うちのお母さんがまるで拓ちゃんをもらうような発言をしていたの」
考えての攻撃だろう。
私の母はそーゆーところが鋭くて困っている。
「あれは拓ちゃんを婿に迎える発言だった。こっちでいっぱい可愛がるから実家はいらないみたいな発言に、拓ちゃんのお母さんは思ったかも」
「考えすぎだよ」
「かもしれないけど。寂しく嫌な思いをさせちゃったな」
それは気の毒で申し訳なかったかも。