拓ちゃんのお母さんと兄嫁は顔を真っ赤にして何かを言いたいんだけど、何も言えなくて口をパクパクしていた。私は見ないふりして拓ちゃんのお父さんにご挨拶した。
うちの女性陣が拓ちゃんのお母さんと兄嫁の前を笑顔で通り過ぎる。
そして二番目の兄嫁が、拓ちゃんの兄嫁の前を通り過ぎる時
「お着物と帯の柄が季節に合ってないようですね。それからお顔の大きなお姉さんにはその可愛らしい柄は似合っておりません。紫はお似合いです派手で力士感が出ていらっしゃっていいと思いますわ」
と、さりげなく言って出て行ってしまった。

おねーさん。

後に残るのは私なのよ。

拓ちゃんの兄嫁は顔を真っ赤にして怒り、何も知らない自分の旦那さんに八つ当たりしまくっている。
お母さんもかなりの怒りのボルテージが上がっていて、これは帰りの車は盛り上がるに違いないだろう。

「優奈さんっ!!!!」

「はいっ!!」

お母さんに怒鳴られて逃げられなくなり、思いっきり返事をする私だった。