「拓哉が結婚したら、もう両手広げてお嫁さんを受け止めて可愛がろうと思っていたんですよ。いえ、本当に思っていたのに、まさか……ねぇ……」
うつむきながら拓ちゃんのお母さんはデザートの水菓子とにらめっこ。拓ちゃんのお母さんに見つめられてる栗ようかんが気の毒に思える。
「ですね。私も年上の妹ができるなんて思いませんでした」
拓ちゃんの兄嫁も一緒に肩を落としていた。
似てるわーこのふたり。
私はもう免疫のようなものがご挨拶に行ったときについていたせいか、正直怒りもなにもなく、今日という日を無事終わらせたらミッション成功しか考えてなかったが、私の母親は違ったようで「それは申し訳ありません」と、低い声で言いだしてきた。
これは……困った。
あらかじめ私の家族には拓ちゃんのお母さんと兄嫁のことを話していて『嫌な思いをするかもしれないけれど、今日は穏便に過ごしてほしい。あとから私が文句を聞くから、どうかお願いだからあちらのお母さんとお姉さんの言葉は聞き流して欲しい』と、しつこいぐらいに言っておいたのに。
「拓哉くんはお母さんのおっしゃる通り、可愛らしくて、性格も良くて最高の婿です。こんなにいい子なら、もういくらお母さんとお姉さんの口が悪くても性格が悪くても嫌な人格でも我慢するしかないですものね。うちの娘に文句があるのなら、当然接点もあまりないでしょう。気に入らない嫁なんかねぇ、家に来なくていいですものね。その方が双方楽ですよ。よかったわね優奈」
お母さんの言葉は止まらない。
「拓ちゃんが次男でよかったー。こんな素敵なお婿さんいないもの。一緒に旅行に行く予定も立ててますの。家族が増えましたわ。家も近いので婿にもらった気持ちです。もう拓ちゃんのことは心配しないでくださいね。実家を捨てる気持ちで結婚させますから。あーご挨拶できてよかったです。もう会うこともありませんが、優奈をよろしくお願いしますは拓ちゃんに言ってますから大丈夫。気に入らない嫁なのでもう家に入れなくていいですよ。ありがとうございます。さぁ、帰りましょうか」
ほぼ高笑いをしてお母さんは立ち上がり、兄嫁たちも微笑んでそれにならう。
その様子を見て男性陣も立ち上がり挨拶を始めた。
互いに盛り上がっていたので、こちらの話の内容は知らないだろう。
頭が痛くなってきた。
うつむきながら拓ちゃんのお母さんはデザートの水菓子とにらめっこ。拓ちゃんのお母さんに見つめられてる栗ようかんが気の毒に思える。
「ですね。私も年上の妹ができるなんて思いませんでした」
拓ちゃんの兄嫁も一緒に肩を落としていた。
似てるわーこのふたり。
私はもう免疫のようなものがご挨拶に行ったときについていたせいか、正直怒りもなにもなく、今日という日を無事終わらせたらミッション成功しか考えてなかったが、私の母親は違ったようで「それは申し訳ありません」と、低い声で言いだしてきた。
これは……困った。
あらかじめ私の家族には拓ちゃんのお母さんと兄嫁のことを話していて『嫌な思いをするかもしれないけれど、今日は穏便に過ごしてほしい。あとから私が文句を聞くから、どうかお願いだからあちらのお母さんとお姉さんの言葉は聞き流して欲しい』と、しつこいぐらいに言っておいたのに。
「拓哉くんはお母さんのおっしゃる通り、可愛らしくて、性格も良くて最高の婿です。こんなにいい子なら、もういくらお母さんとお姉さんの口が悪くても性格が悪くても嫌な人格でも我慢するしかないですものね。うちの娘に文句があるのなら、当然接点もあまりないでしょう。気に入らない嫁なんかねぇ、家に来なくていいですものね。その方が双方楽ですよ。よかったわね優奈」
お母さんの言葉は止まらない。
「拓ちゃんが次男でよかったー。こんな素敵なお婿さんいないもの。一緒に旅行に行く予定も立ててますの。家族が増えましたわ。家も近いので婿にもらった気持ちです。もう拓ちゃんのことは心配しないでくださいね。実家を捨てる気持ちで結婚させますから。あーご挨拶できてよかったです。もう会うこともありませんが、優奈をよろしくお願いしますは拓ちゃんに言ってますから大丈夫。気に入らない嫁なのでもう家に入れなくていいですよ。ありがとうございます。さぁ、帰りましょうか」
ほぼ高笑いをしてお母さんは立ち上がり、兄嫁たちも微笑んでそれにならう。
その様子を見て男性陣も立ち上がり挨拶を始めた。
互いに盛り上がっていたので、こちらの話の内容は知らないだろう。
頭が痛くなってきた。