拓ちゃんの実家は昔ながらの大きな家で、今はお父さんも一緒に暮らしているお兄さん家族も普通に企業に勤めているけど、昔は農家で今も大きなビニールハウスが家の奥から覗いていた。町外れの場所にあり、隣家との間隔は100メートルほどで、ポツンポツンと間隔を取りながら大きな家が続いて建っている。広い敷地に3台の車が並び、私たちの車も余裕で駐車できた。
私は車から降りてお土産の品を持ち、深呼吸で気持ちを落ち着かせていると拓ちゃんは背中をポンと押して、まだ気持ちの整わない私を引っ張って玄関に向かった。
「お金持ちのお坊ちゃんだった?」
「それはない。ここら辺はみんな似たような大きさの家だよ」
拓ちゃんはサラッと答えて大きな玄関を開ける。敷地が広いせいか大豪邸に見えてしまう。その大豪邸で出迎えたのは小柄な細い女性と丸い体型の女性だった。
「おかえりー」
「おかえりなさいー」ほぼ同時に拓ちゃんに向かって大きな声で出迎える。
「ただいまー。優奈さん、こっちが僕の母でこっちが僕の兄嫁で……」
拓ちゃんがすぐ私を紹介しようとすると、女性二人は夕立の雨のように言葉を降らせる。
「少し痩せた?ちゃんと食べてるの?」
「ずーっとお義母さん待ってたのよ。私も待ってたけど」
「お昼は五目ちらしよ、朝から気合い入れて作ったから」
「まずは上がって、ビールにする?」
「お義母さん、今日は拓ちゃん日帰りですよ」
「いつも泊まるのにね、明日の朝に帰ったら?」
「それがいいかも」
小柄なお母さんは頬をピンクに染めて拓ちゃんしか目に入らず、コロコロ体系の兄嫁はマシンガントークをしながら目線は私を上から下まで見つめていた。
私はどこで自己紹介をすればいいのだろう。
「うん。まず上がってから」
拓ちゃんは私に微笑んでから靴を脱いだので、私も続いてパンプスを脱いだ。靴の中までジッと兄嫁の目線が入っている。
怖い。兄嫁怖い。
モラハラもセクハラもどきも、会社では困難な仕事も乗り越えてこれたけど……これは想定外だ。
パンプスのブランドを調べようとしている兄嫁怖い。
お母さんにまとわりつかれている拓ちゃんの後ろにくっつきながら、私は奥へと進んで行った。
私は車から降りてお土産の品を持ち、深呼吸で気持ちを落ち着かせていると拓ちゃんは背中をポンと押して、まだ気持ちの整わない私を引っ張って玄関に向かった。
「お金持ちのお坊ちゃんだった?」
「それはない。ここら辺はみんな似たような大きさの家だよ」
拓ちゃんはサラッと答えて大きな玄関を開ける。敷地が広いせいか大豪邸に見えてしまう。その大豪邸で出迎えたのは小柄な細い女性と丸い体型の女性だった。
「おかえりー」
「おかえりなさいー」ほぼ同時に拓ちゃんに向かって大きな声で出迎える。
「ただいまー。優奈さん、こっちが僕の母でこっちが僕の兄嫁で……」
拓ちゃんがすぐ私を紹介しようとすると、女性二人は夕立の雨のように言葉を降らせる。
「少し痩せた?ちゃんと食べてるの?」
「ずーっとお義母さん待ってたのよ。私も待ってたけど」
「お昼は五目ちらしよ、朝から気合い入れて作ったから」
「まずは上がって、ビールにする?」
「お義母さん、今日は拓ちゃん日帰りですよ」
「いつも泊まるのにね、明日の朝に帰ったら?」
「それがいいかも」
小柄なお母さんは頬をピンクに染めて拓ちゃんしか目に入らず、コロコロ体系の兄嫁はマシンガントークをしながら目線は私を上から下まで見つめていた。
私はどこで自己紹介をすればいいのだろう。
「うん。まず上がってから」
拓ちゃんは私に微笑んでから靴を脱いだので、私も続いてパンプスを脱いだ。靴の中までジッと兄嫁の目線が入っている。
怖い。兄嫁怖い。
モラハラもセクハラもどきも、会社では困難な仕事も乗り越えてこれたけど……これは想定外だ。
パンプスのブランドを調べようとしている兄嫁怖い。
お母さんにまとわりつかれている拓ちゃんの後ろにくっつきながら、私は奥へと進んで行った。