「家賃も水道光熱費もネットも、全部出してもらってごめん」

「いや、こっちこそ。それ以上のことをしてもらっていて、逆にごめん」

「せめて生命保険は僕と同じ苗字になって、僕の口座から妻の分として引き落とさせてもらいたい」

「いや、そうじゃなくて」

「優奈さんが本当に好きなんだ。どうしても結婚したい」
拓ちゃんは仔犬のような濡れた目をして、私に訴える。

どうすれば

いいのだろう。