「グギャアアァアッ!」
声の主は先ほど逃げたゴブリンたちだ。
エルサさんを襲い損ね逃げた後、別の仲間を引き連れて戻ってきたらしい。
「さっきのが仲間を連れてきたみたい……ロルフ君、どうしよう」
「エルサさんは僕の後ろに! これでも冒険者だからゴブリンくらい――」
現れたゴブリンたちの数は一五体。
ぼっち冒険者で戦闘経験のない僕では、荷が勝ちすぎる数である。
けど、エルサさんを置いて逃げるという選択肢は自分の中にはない。
最初に手に入れた眩しい輝きを放つ剣の方を構えると、相手の出方を待った。
「ガキイィイギイ!!」
敵意を剥き出しにしたゴブリンたちが、一斉にこちらに向け駆け出してくる。
焦るな。落ち着け、落ち着いて鍛錬通りに剣を振り、ゴブリンたちをエルサさんに近づけさせなければいいんだ。
「エルサさん、絶対に守るから、ここから離れないでね」
「う、うん! でも、大丈夫! きっと二人なら何とかなるから! あたしも戦うし! ロルフ君が動きを止めてくれたら、あたしが破壊スキルでゴブリンごと破壊してみるから!」
「そうならないで済むようにします!」
向かってくるゴブリンに向け、手をかざしたエルサさんは、戦う気をみせてくれていた。
エルサさんが戦ってくれると言ってるけど、そんな危ないことはさせられない。
彼女にゴブリンを近づけさせないためにも、先手必勝だ!
鋭い光を放つ剣を握り直すと、一五体のゴブリンを前に戦う覚悟を決め、先頭のゴブリンに向かい駆け出した。。
「ギャギャアアァッ!」
奇声をあげ近寄ってくる先頭のゴブリンに向け、自分の剣を薙ぎ払う。
か、軽い! こんなに軽くて振り抜きやすい剣なんて!
薙ぎ払った剣から、感じたことのない手応えが返ってくる。
途端に近づいてきていたゴブリンの胴体は上下に分れ、血を噴き上げると崩れ落ちた。
斬り口がめちゃくちゃ綺麗なままだ。
それに、斬り分けられたゴブリンの身体がまだピクピクと動いてる。
「す、すごい切れ味……僕の腕じゃないよな……やっぱ最初の剣は、ただの剣じゃなかった」
「それって、最初の剣だよね……あたしのスキルで、ロルフ君が初めてスキルが発動した記念の剣……」
伝説品質の鉄の剣のとんでもない斬れ味に驚いていると、仲間を斬られ激高したゴブリンがサビた剣を振り下ろしてきた。
キィン!
ゴブリンが振り下ろしたサビた剣は、鉄の剣に触れた瞬間、断ち切れてそのまま別の場所に飛んでいった。
剣先が明後日の方向に飛んでいき、驚いて動きの止まったゴブリンのがら空きになった胴を素早く薙ぎ払う。
「すごい! この剣は、剣を簡単に斬れる……。これなら、僕の腕でもやれるっ!」
『再生』スキルが最初に作り出した剣の性能が分かったことで、複数のゴブリンに囲まれた状況は不利ではないと悟った。
「エルサさん、僕がこの剣で一気にゴブリンたちを倒します!」
「ゴブリンだからって油断しないでね!」
「大丈夫です! この剣なら僕は負けないですから!」
切れ味の鋭い剣を構え直すと、襲い掛かってくるゴブリンたちの集団に向けて剣を振るった。
剣の才能を伸ばすスキルは全くない僕だけど、父親から教えられた日々の練習を続けていたことと、剣の素晴らしい性能のおかげでゴブリンたちを次々に倒していた。
油断することなく、剣を振るい最後のゴブリンが地面に倒れた。
「ふぅー、なんとか倒せた」
「す、すごい。一人で全部倒しちゃったよ。ロルフ君!」
最後のゴブリンを倒し終えたところで、戦う様子を見ていたエルサさんが、背後から抱き着いてきた。
背中に彼女の柔らかい膨らみが当たる。
「あ、あの! エルサさん、そ、その背中に……」
「ロルフ君、カッコよかったわ。あたし、また一段と惚れちゃった。さすが、運命の人……はぁ、素敵」
「エルサさんと一緒に作ったこの剣の力のおかげですから!」
伝説品質の剣は、ゴブリンを十数体切っても、刀身に血の曇りが一つもないままであった。
「すごい剣……あたしとロルフ君が作ったんだよね」
「うん、そうだよ。エルサさんがいたからできた剣だから」
二人で創り出した剣の凄さに驚いていると、地面が急に大きく揺れ始めた。
声の主は先ほど逃げたゴブリンたちだ。
エルサさんを襲い損ね逃げた後、別の仲間を引き連れて戻ってきたらしい。
「さっきのが仲間を連れてきたみたい……ロルフ君、どうしよう」
「エルサさんは僕の後ろに! これでも冒険者だからゴブリンくらい――」
現れたゴブリンたちの数は一五体。
ぼっち冒険者で戦闘経験のない僕では、荷が勝ちすぎる数である。
けど、エルサさんを置いて逃げるという選択肢は自分の中にはない。
最初に手に入れた眩しい輝きを放つ剣の方を構えると、相手の出方を待った。
「ガキイィイギイ!!」
敵意を剥き出しにしたゴブリンたちが、一斉にこちらに向け駆け出してくる。
焦るな。落ち着け、落ち着いて鍛錬通りに剣を振り、ゴブリンたちをエルサさんに近づけさせなければいいんだ。
「エルサさん、絶対に守るから、ここから離れないでね」
「う、うん! でも、大丈夫! きっと二人なら何とかなるから! あたしも戦うし! ロルフ君が動きを止めてくれたら、あたしが破壊スキルでゴブリンごと破壊してみるから!」
「そうならないで済むようにします!」
向かってくるゴブリンに向け、手をかざしたエルサさんは、戦う気をみせてくれていた。
エルサさんが戦ってくれると言ってるけど、そんな危ないことはさせられない。
彼女にゴブリンを近づけさせないためにも、先手必勝だ!
鋭い光を放つ剣を握り直すと、一五体のゴブリンを前に戦う覚悟を決め、先頭のゴブリンに向かい駆け出した。。
「ギャギャアアァッ!」
奇声をあげ近寄ってくる先頭のゴブリンに向け、自分の剣を薙ぎ払う。
か、軽い! こんなに軽くて振り抜きやすい剣なんて!
薙ぎ払った剣から、感じたことのない手応えが返ってくる。
途端に近づいてきていたゴブリンの胴体は上下に分れ、血を噴き上げると崩れ落ちた。
斬り口がめちゃくちゃ綺麗なままだ。
それに、斬り分けられたゴブリンの身体がまだピクピクと動いてる。
「す、すごい切れ味……僕の腕じゃないよな……やっぱ最初の剣は、ただの剣じゃなかった」
「それって、最初の剣だよね……あたしのスキルで、ロルフ君が初めてスキルが発動した記念の剣……」
伝説品質の鉄の剣のとんでもない斬れ味に驚いていると、仲間を斬られ激高したゴブリンがサビた剣を振り下ろしてきた。
キィン!
ゴブリンが振り下ろしたサビた剣は、鉄の剣に触れた瞬間、断ち切れてそのまま別の場所に飛んでいった。
剣先が明後日の方向に飛んでいき、驚いて動きの止まったゴブリンのがら空きになった胴を素早く薙ぎ払う。
「すごい! この剣は、剣を簡単に斬れる……。これなら、僕の腕でもやれるっ!」
『再生』スキルが最初に作り出した剣の性能が分かったことで、複数のゴブリンに囲まれた状況は不利ではないと悟った。
「エルサさん、僕がこの剣で一気にゴブリンたちを倒します!」
「ゴブリンだからって油断しないでね!」
「大丈夫です! この剣なら僕は負けないですから!」
切れ味の鋭い剣を構え直すと、襲い掛かってくるゴブリンたちの集団に向けて剣を振るった。
剣の才能を伸ばすスキルは全くない僕だけど、父親から教えられた日々の練習を続けていたことと、剣の素晴らしい性能のおかげでゴブリンたちを次々に倒していた。
油断することなく、剣を振るい最後のゴブリンが地面に倒れた。
「ふぅー、なんとか倒せた」
「す、すごい。一人で全部倒しちゃったよ。ロルフ君!」
最後のゴブリンを倒し終えたところで、戦う様子を見ていたエルサさんが、背後から抱き着いてきた。
背中に彼女の柔らかい膨らみが当たる。
「あ、あの! エルサさん、そ、その背中に……」
「ロルフ君、カッコよかったわ。あたし、また一段と惚れちゃった。さすが、運命の人……はぁ、素敵」
「エルサさんと一緒に作ったこの剣の力のおかげですから!」
伝説品質の剣は、ゴブリンを十数体切っても、刀身に血の曇りが一つもないままであった。
「すごい剣……あたしとロルフ君が作ったんだよね」
「うん、そうだよ。エルサさんがいたからできた剣だから」
二人で創り出した剣の凄さに驚いていると、地面が急に大きく揺れ始めた。