「やっぱり、後ろの数字は成功率だったみたい……最初の剣は10%の成功率で引き当てたすごい剣らしいです!」
再生スキルできた剣をエルサさんに見せると、さきほどまで落ち込んだ様子は消えていた。
「それにしても、あたしの『破壊』スキルで壊した品がないと、ロルフ君の『再生』スキルが発動しないとは……。そんなスキルがあるなんてね。それにロルフ君には、素手で触れても破壊スキルが発動しないなんて」
エルサさんが不思議そうな顔をして、素手で僕の身体をペタペタと触っていくのがこそばゆかった。
人も破壊しちゃうかもって聞いてたけど、エルサさんの『破壊』スキルは、僕には発動しないみたいだ。
なんで発動しないかまでは、分からないけど。
「やっぱり発動しない……。しないよ。あたしの破壊スキルが発動しない人に初めて出会った」
自分の手が触れ、破壊スキルが発動しないのを、信じられないと言いたげにエルサさんがこちらを見ていた。
「不吉な忌み子と言われ続けたあたしに触れても死なない人がいた……」
エルサさんは、僕の頬に両手を当てると、綺麗な目を潤ませていた。
「ロルフ君は、手袋をくれた神官さんが言ってたあたしの運命を開く人だよね……」
自分の持つ破壊スキルが、僕に発動しないことを確認したエルサさんの綺麗な漆黒の瞳からポロポロと大粒の涙が流れ落ちる。
「エルサさんに触れたことで、僕の『再生』スキルが初めて発動したのか知りたくて……無茶しちゃったけど、死んではいないみたいです」
泣いているエルサさんの顔も、とても魅力的で僕の心臓は鼓動を高鳴らせていた。
「ああ、やっぱり本当に破壊スキルが発動されない……。ついに見つけた運命の人。あたしを幸せにしてくれると神官が言ってくれた人を見つけた!」
「あの……エルサさん?」
「ロルフ君!! 君があたしの運命の人よっ! ついに、ついに見つけたわ!」
え、えっとこれって愛の告白ってやつなのかな……。
運命の人って言ってるし。
いやまさかね、こんな綺麗な人が僕なんかに……ね。
それに破壊スキルが発動されないってことは……。
発動した人がいるんだよね……やっぱり……。
エルサさんの呟いた言葉を聞いて少し複雑な気分になっていた。
「あの……僕にスキルが発動されないってことは分りましたけど、もしかして今までにエルサさんの手に触れてしまった人って……います?」
「え、えっと……命までは奪ってないけど、誤って手を破壊してしまった人が一人ほど……」
やっぱり、いるの!?
「『破壊』スキルが初めて発動した際、父の片手が消えてしまったの……もう、病気で亡くなっているけど、父にはずっと悪いことをしたと思ってた」
エルサさんは、父親の手を誤って消してしまったことを隠そうともせずに喋ってくれた。
「それに母もあたしが生まれた時に亡くなっているしね。それも『破壊』スキルの影響かもしれないし。だから、あたしは周りが言ってるとおり、忌み子だって思ってたの」
「ご、ごめんなさい! 辛いこと聞いちゃったみたい。ごめん、僕、馬鹿だから」
「いいえ、ロルフ君には聞いてもらいたいの。だって、素手で触れたロルフ君にはスキルが発動しなかったんだもん。だから、貴方はあたしの運命を開く人なの!」
泣き止んだエルサさんは、僕の頬に手を当てたまま真剣な顔で話を続ける。
彼女の漆黒の瞳に見つめられ、心臓の鼓動が一段と早くなるのを感じた。
「運命の人……その言葉さっきも聞きましたけど、いったいどうこうことです?」
「この破壊スキルの発動を抑える白い手袋をくれた神官様が言ったの。『破壊スキルを無効にする者が、君の運命を大きく変えることになる人』だって」
エルサさんが、外して近くに置いていた白い革製の手袋にチラリと視線を送る。
「あの手袋にそんな力が……」
「そうよ。あの手袋さえしてれば、人や物に触れても『破壊』スキルは発動しないの。でも、ロルフ君はこうやって素手で触れても発動されないわ……。やっぱり、あたしの運命の人はロルフ君なのよ!」
こちらの顔を覗き込んでいるエルサさんの目が再び潤んできた。
や、やっぱりこれってエルサさんに告白されてるのかな……?
エルサさんなら全然大丈夫なんだけど、こういうのって僕からも言うべきか……?
自分からも告白するか迷っていたら、エルサさんの方が抱き着いてきた。
僕より身長が高い彼女の胸が、ちょうど顔に当たる。
「あ、あの! エルサさん!?」
「あ、ごめん。当たっちゃった。わ、わざとじゃないからね」
自分の胸の谷間に、僕の顔が埋まったことを気付いたエルサさんの顔が赤く染まっていた。
そうやって照れられると、こっちも照れてしまう。
自分より年上で身長も高くて、美人で綺麗だし、それに接触過剰気味だけど、運命の人と言われると悪い気はしない。
「分かってますよ。少なくとも僕の『再生』スキルはエルサさんがいないと発動しないですし。これは運命なのかもしれないですね」
そう、本当にこれは運命なのかもしれない。
『再生』スキルの発動条件に、『破壊』スキルでの破壊が設定されているのだから。
「運命よ! 運命! ロルフ君は、あたしの運命の人! そうに違いないわ」
喜びを満面に浮かべたエルサさんが、再び抱き着いてくると、僕の顔がまた彼女の胸に埋まった。
今までの反動なのか、破壊スキルが発動しない僕に対し、なんだかとっても接触過剰な気がする。
が、これはこれで悪い気はしない……。
再生スキルできた剣をエルサさんに見せると、さきほどまで落ち込んだ様子は消えていた。
「それにしても、あたしの『破壊』スキルで壊した品がないと、ロルフ君の『再生』スキルが発動しないとは……。そんなスキルがあるなんてね。それにロルフ君には、素手で触れても破壊スキルが発動しないなんて」
エルサさんが不思議そうな顔をして、素手で僕の身体をペタペタと触っていくのがこそばゆかった。
人も破壊しちゃうかもって聞いてたけど、エルサさんの『破壊』スキルは、僕には発動しないみたいだ。
なんで発動しないかまでは、分からないけど。
「やっぱり発動しない……。しないよ。あたしの破壊スキルが発動しない人に初めて出会った」
自分の手が触れ、破壊スキルが発動しないのを、信じられないと言いたげにエルサさんがこちらを見ていた。
「不吉な忌み子と言われ続けたあたしに触れても死なない人がいた……」
エルサさんは、僕の頬に両手を当てると、綺麗な目を潤ませていた。
「ロルフ君は、手袋をくれた神官さんが言ってたあたしの運命を開く人だよね……」
自分の持つ破壊スキルが、僕に発動しないことを確認したエルサさんの綺麗な漆黒の瞳からポロポロと大粒の涙が流れ落ちる。
「エルサさんに触れたことで、僕の『再生』スキルが初めて発動したのか知りたくて……無茶しちゃったけど、死んではいないみたいです」
泣いているエルサさんの顔も、とても魅力的で僕の心臓は鼓動を高鳴らせていた。
「ああ、やっぱり本当に破壊スキルが発動されない……。ついに見つけた運命の人。あたしを幸せにしてくれると神官が言ってくれた人を見つけた!」
「あの……エルサさん?」
「ロルフ君!! 君があたしの運命の人よっ! ついに、ついに見つけたわ!」
え、えっとこれって愛の告白ってやつなのかな……。
運命の人って言ってるし。
いやまさかね、こんな綺麗な人が僕なんかに……ね。
それに破壊スキルが発動されないってことは……。
発動した人がいるんだよね……やっぱり……。
エルサさんの呟いた言葉を聞いて少し複雑な気分になっていた。
「あの……僕にスキルが発動されないってことは分りましたけど、もしかして今までにエルサさんの手に触れてしまった人って……います?」
「え、えっと……命までは奪ってないけど、誤って手を破壊してしまった人が一人ほど……」
やっぱり、いるの!?
「『破壊』スキルが初めて発動した際、父の片手が消えてしまったの……もう、病気で亡くなっているけど、父にはずっと悪いことをしたと思ってた」
エルサさんは、父親の手を誤って消してしまったことを隠そうともせずに喋ってくれた。
「それに母もあたしが生まれた時に亡くなっているしね。それも『破壊』スキルの影響かもしれないし。だから、あたしは周りが言ってるとおり、忌み子だって思ってたの」
「ご、ごめんなさい! 辛いこと聞いちゃったみたい。ごめん、僕、馬鹿だから」
「いいえ、ロルフ君には聞いてもらいたいの。だって、素手で触れたロルフ君にはスキルが発動しなかったんだもん。だから、貴方はあたしの運命を開く人なの!」
泣き止んだエルサさんは、僕の頬に手を当てたまま真剣な顔で話を続ける。
彼女の漆黒の瞳に見つめられ、心臓の鼓動が一段と早くなるのを感じた。
「運命の人……その言葉さっきも聞きましたけど、いったいどうこうことです?」
「この破壊スキルの発動を抑える白い手袋をくれた神官様が言ったの。『破壊スキルを無効にする者が、君の運命を大きく変えることになる人』だって」
エルサさんが、外して近くに置いていた白い革製の手袋にチラリと視線を送る。
「あの手袋にそんな力が……」
「そうよ。あの手袋さえしてれば、人や物に触れても『破壊』スキルは発動しないの。でも、ロルフ君はこうやって素手で触れても発動されないわ……。やっぱり、あたしの運命の人はロルフ君なのよ!」
こちらの顔を覗き込んでいるエルサさんの目が再び潤んできた。
や、やっぱりこれってエルサさんに告白されてるのかな……?
エルサさんなら全然大丈夫なんだけど、こういうのって僕からも言うべきか……?
自分からも告白するか迷っていたら、エルサさんの方が抱き着いてきた。
僕より身長が高い彼女の胸が、ちょうど顔に当たる。
「あ、あの! エルサさん!?」
「あ、ごめん。当たっちゃった。わ、わざとじゃないからね」
自分の胸の谷間に、僕の顔が埋まったことを気付いたエルサさんの顔が赤く染まっていた。
そうやって照れられると、こっちも照れてしまう。
自分より年上で身長も高くて、美人で綺麗だし、それに接触過剰気味だけど、運命の人と言われると悪い気はしない。
「分かってますよ。少なくとも僕の『再生』スキルはエルサさんがいないと発動しないですし。これは運命なのかもしれないですね」
そう、本当にこれは運命なのかもしれない。
『再生』スキルの発動条件に、『破壊』スキルでの破壊が設定されているのだから。
「運命よ! 運命! ロルフ君は、あたしの運命の人! そうに違いないわ」
喜びを満面に浮かべたエルサさんが、再び抱き着いてくると、僕の顔がまた彼女の胸に埋まった。
今までの反動なのか、破壊スキルが発動しない僕に対し、なんだかとっても接触過剰な気がする。
が、これはこれで悪い気はしない……。